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出版社内容情報
「人がハンコを作る時には事情があります」そう語るのは喫茶店にして印章店という『有久井印房』の店主。
しかしその姿はどう見ても白いアリクイで、なおかつ少々ふっくら気味。そんな店長をサポートするのは、ウェイトレスの宇佐ちゃんと、キザなカピバラのかぴおくん。
「ハンコを作ってください!あれ、なんでシロクマが?」
訪れ驚くお客さんに「ぼくはアリクイです」と静かに出されるコーヒー。
不思議なお店で静かに始まる、縁とハンコの物語。
内容説明
「人がハンコを作る時には事情があります」そう語るのは喫茶店にして印章店という『有久井印房』の店主。しかしその姿はどう見ても白いアリクイで、なおかつ少々ふっくら気味。そんな店長をサポートするのは、ウェイトレスの宇佐ちゃんと、キザなカピバラのかぴおくん。「ハンコを作ってください!あれ、なんでシロクマが?」訪れ驚くお客さんに「ぼくはアリクイです」と静かに出されるコーヒー。不思議なお店で静かに始まる、縁とハンコの物語。
著者等紹介
鳩見すた[ハトミスタ]
神奈川県出身。『ひとつ海のパラスアテナ』(電撃文庫)で第21回電撃小説大賞“大賞”を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スズ
133
美味しいデザートと多種多様な判子をオーダーメイドで作ってくれる喫茶店兼印鑑屋である「有久井印房」を訪れる客達が、判子と甘~いデザートに並々ならぬ情熱を燃やすアリクイさんと、兎の耳を生やした可愛らしいウェイトレスの少女と出会い、判子にまつわる大切な思い出や事件を通して自分を見つめ直していくほんのりと甘く温かい物語。アリクイが器用に料理をし、オススメの判子を紹介してくれるお店に最初は目を白黒とさせる客達でしたが、彼らが家庭や職場にいる大切な人達の想いに判子を通して気付いていく様子が良く、程よい余韻が残りました2017/09/17
のんき
98
まず、表紙がよかったです。かわいい❤️それにつられちゃいました。疲れていても、ホッコリ癒される作品でした。アリクイさんがケーキを作って、お客さんに出します。でも、ハンコも売ってたりします。人はケーキって話ししてる人がいました。「間に色んな経験をはさみ込んでも、土台がしっかりしてなきゃ、ちょっとフォークでつついただけですぐバラバラになってしまう」じゃあ、わたしもケーキなのかなあって。わたしがケーキだとすると、何ケーキかなあ。栗好きだからモンブランかなあ。チーズケーキも、タルトもミルフィーユも好きなんだけどな2018/01/30
bluemint
83
陰謀じゃなく印房ね。ちょっぴりシリアスな現実世界と、ドアの向こうのメルヘンみたいな世界。並行して読んでいる閻魔様の娘シリーズに構造が少し似ている。登場人物が少しづつ登場しているのも楽しい。謎がいっぱい残るけれど、無理に答えを望むのはヤボというもの。大傑作ではないけれど、読んだ後、また明日もいいことがあるかもしれないと思わせてくれる。2019/06/27
青蓮
82
喫茶も営む印房の店主・アリクイさんのお店に訪れるお客さまそれぞれにスポットがあたる、ほのぼの短編集。優しくじんわりあたたまる人間ドラマです。最後まで読むと、どの短編集も全てどこかで繋がってます。登場する軽食やスイーツの描写が美味しそうです。「パンドラ」の意味に納得。2018/03/21
ミュポトワ@猫mode
77
読友さんの感想から面白そうだったので、読んでみた本。癒されるって感想が多いようですけど、この本はそんな本じゃないと思いました。獣たちは確かに可愛い。恋愛模様はうざい。でもそんなことはどうでもいい。この本はそうじゃない、心の隠れたところを掘り起こしてくれるんです。少なくとも私の場合は。鬱窟としていた部分を表に出してくれて、あれ?実は違うんじゃね?って再度思い返させてくれた本です。良い本にめぐり合え、かつ購入した本でよかった。また挫折しそうになったら読みます。次巻も読みますが、この巻は多分何度も読み返します。2018/11/30