内容説明
昭和19年初頭、釜山を出港した連絡船には、前年実施された「半島人学徒特別志願兵制」により、半ば強制的に徴兵された多くの朝鮮人青年たちが乗っていた。その中のひとりが、体の小さな阿魯雲だった。自動車部隊に配属された彼らには、内務班での新兵へのいじめ、民族的差別が待っていた。しかし、よき上官や仲間にもめぐまれた阿魯雲は、その人間的な心を守り育てていく。そんな彼の前に、美しい女性秀子が現れた。前線にやられるという絶望的な状況のなか、秀子の妊娠を知った阿魯雲は、ついに軍隊脱走を決意した。空襲に明け暮れる名古屋を舞台に、日本人と朝鮮人との関わりを、ヒューマンな眼を通して描いた、韓国の人気作家韓雲史の自伝的大河小説。
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