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内容説明
高校生の小幡洸之介は、画家である父の作品が夜になると動き出すという怪奇現象に悩まされていた。「そうした事件を解決してくれる場所がある」と耳にして訪ねると、そこはいかにも怪しげな日本家屋。意を決して中へ入った洸之介が目にしたのは、驚くような光景だった。そして彼は、加納環と名乗る、若く美しい女表具師と出会う―。人間と妖怪が織りなす、ほろ苦くも微笑ましい、どこか懐かしい不思議な物語。第19回電撃小説大賞“メディアワークス文庫賞”受賞作。
著者等紹介
行田尚希[ユキタナオキ]
『路地裏のあやかしたち―綾櫛横丁加納表具店』で第19回電撃小説大賞メディアワークス文庫賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
*すずらん*
150
続きが気になって一気読み!すごく面白かった!!表具というあまり馴染みのない世界を舞台に、あやかし達との親交を鮮やかに描いている。どちらも非日常的なことを扱っているのに、こんなにしっくりと読み進めるのは作者の力だろう。もう 自分も加納表具店に出入りしている感覚に陥った。全く知識のない表具の事もよくわかり、一挙両得。百年先をも見据える仕事なんて、とても素敵だ。そして現代に染まったあやかし達が、古き良き事を教えてくれる。章を追う度にしっかりと波もあり、とてもデビュー作とは思えない。早く他の作品も発表して欲しい。2013/03/14
hirune
131
何とか鑑定団で何十万もかけて表装したのに絵が安くてショックみたいなのがあるけど、それも納得な内容でした。表具ってこんなに繊細で多様な技術なのね。お金かかるわけだね^^;100年後の治しのためにまるで貼って剥がせるノリみたいなのを使うとか凄すぎる☆出てくる妖が皆個性的で好感が持てました。人情的すぎるバケ狸の樹は結婚詐欺はダメでもホストならイケると思うよ!2015/06/15
ううち
126
表具師のお仕事に興味を持ちました!本を読まなかったらずっと知らなかっただろうな〜と思う仕事が出てくると嬉しくなります。掛軸を見る機会があったら表装もじっくり見てみたい。妖たちもいいキャラだし、ほのぼのしていて読みやすかったです。第2弾も積読中。2014/04/25
さばかん
124
非常に興味深く心に染み入る温かい物語でした。 『和』の美しさがまっすぐに伝わってきました。 表具師の裏の仕事として怪奇現象の謎を解決するお話。 あやかしたちと一人の少年の温もりに溢れたお話。 ちょっと不思議な物語。面白かったです。2013/02/27
けい
108
表具店という少し馴染みの薄い舞台設定にあやかしが登場する世界観がよく合っていてすんなり物語に導いてくれます。非常に読みやすい文章と表具店の内容の解説が適度な深さで興味深く、いい世界観に浸らせてくれます。メディアワークス文庫らしいといえばそれまでですが、日常の疲れを癒す休日にゆったりと読むにはピッタリの作品。いやな日常を一時忘れさせてくれる、楽しい作品でした。2014/04/05