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内容説明
明応大学・民間伝承研究会のメンバーは、ある“祭事”の『実地調査』のため、山奥にある葦加賀村を訪れた。民俗学初心者の大学1年・能見啓介はその矢先、村の入口で謎の人影を目撃する。その人物に大学の友人「弓立桜花」の面影を見た啓介は、訝しみつつも村の見学を始めた。だが交流を深めるうち、彼らは村人たちの言動に不審な点があることに気づきだす。深夜に蠢く松明をもった人の列。メンバー以外のよそ者への過剰な対応…果たしてこの村に隠された真実とは。
著者等紹介
水沢あきと[ミズサワアキト]
『風の砂漠、風の塔』にて第6回電撃hp短編小説賞“銀賞”を受賞。IT企業勤務を経て、現在、都内大学研究所の非常勤研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒロ@いつも心に太陽を!
62
「知らない男たちに夜這いかけられたらそこで護身用スタンガン使えよ!!しかもいくら神事とはいえそんな裏儀式いややし!!」と女性としてはかなり不愉快に思う描写が多かった一冊。村の男衆へらへらしすぎ。どのキャラにも特に好感が持てないし読むのやめようかとも思ったが、とりあえずこの奇祭の神事の結末が知りたくて読了。民俗学に興味があるから手にした本で考察は面白い部分もあったけど、やっぱり好きでもない男に犯されて子供を産まなければならないなんてのは受け入れがたい話だなと。閉じられたムラ社会や信仰って時に怖い…2013/06/11
りょうこ
48
民俗学としてのお祭りの所以などしっかりと説明してくれていたので、その点はなるほど!と面白く読めた。ただ、全体的にはありきたりというか..想定内というか..。特筆する所は無いように思います。でも一気に読めたのでそこそこ面白かったのは確かですね!続編があるようならきっと読むと思います(・∀・)2012/10/01
Yobata
37
浪人して明応大学に入学した能見啓介は高校の同級生だった新垣七海に旅行サークルだと誘われて入会したのは民俗学を学ぶ「民間伝承研究会」だった。実地調査として葦加賀村を訪れた研究会だったが、そこには浪人時代に友人となり大学も同じの弓立桜花がいて…。民俗学ミステリ。五穀豊穣として大地母神と男根の形をした金精様を祀る12年に一度の奇祭で、表では金精様を,裏ではミシャクジサマと呼ばれる巫女が祭りにそってゴニンシュウに捧げられるというミステリとしては大筋は読めるけど細部は五行相生など作り込まれてた。しかし一見野蛮に→2015/09/22
のいじぃ
32
読了。民俗学ということで先に読んだ妖怪学と若干、被りました。あちらは未確認生物でしたが。こちらの奇祭はありがちな上に、状況作りがあまり上手くないな、と。登場人物達や雰囲気はどこかのエロゲのようで、ラノベに近い言動に浅はかな思慮。“知識”はMW文庫によくみられる、参考文献をそのまま引用したかのような硬さがあり物語から浮き馴染みません。その村の風習を壊す覚悟や、葛藤、村人側の言い分も足りず、中途半端な悪習としてのまま最後を締めくくるそれは悪意さえ感じました。続編も購入しているので読む予定。2013/12/31
エンリケ
31
民俗学には少々興味が有った。しかしこの物語を読むと、日本人の閉鎖的で湿度の高い民族性に些か辟易とした。しかしライトノベルとは思えない程の蘊蓄は大変勉強になる。お話は大学の民俗学研究会の面々が体験するスリリングなフィールドワーク。村のお祭りの裏に隠された秘密に迫って行く。僕からみれば嫌悪感が先立つその祭礼。しかし作中部長が語る異なる文化を忌む行為が果たして正しいのか、と言う問題提起には考える事しきり。それは捕鯨を野蛮と決めつける考えと大して変わらないのかも。読み応えは有ったものの主人公には魅力が乏しかった。2017/03/16