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内容説明
女子だけが持つ機器「ブリッツ」の効力をいち早く理解し、ゲームの主導権を握った沖田。だが、ゲーム攻略のためにペアを軽視する彼の行動は他の女子との軋轢を招き、一転して不利な状況に追い込まれてしまう。利用する者とされる者、男子と女子の力関係が表面化した中で続行される脱出ゲーム。その流れに反発する女子グループの台頭などゲームはさらなる混迷を見せる一方で、いまだ見えぬ“脱出”の条件…。果たして勝利を掴むのは?土橋真二郎が贈るノンストップゲーム小説。
著者等紹介
土橋真二郎[ドバシシンジロウ]
花屋の店員をしながら書いた『扉の外』で第13回電撃小説大賞“金賞”を受賞し、作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
shin
14
孤島に閉じ込められた高校生男女の脱出ゲームで、女子の武器の真価が分かり冷戦状態へ突入する2巻。主導権が目まぐるしく変わる展開に、利用される側だった女子の変化や堕落する男子、一線を踏み越えた人の闇、はっきり自覚できない欠落した部分を突きつけられたまま浮き沈みする沖田等、暗い面が見える程興味をひかれて先が気になった。解放感のあるラストも多くの人はしこりが残りそう。図らずもゲームによって歪まず、犠牲もやむなしの一触即発の局面で水を浴びせたような存在感を放った委員長になごみ、救われた感じが印象に残ったお話でした。2013/07/09
ゴローさん
12
休息イベントがマジで恐ろしいですわ…ラノベ的に色々マズそうな気もしますが土橋先生らしくて好きです。この巻で話が目まぐるしく展開していきもうゴチャゴチャです(良い意味で)。生贄のジレンマもそうでしたが、女性陣が本気になった時が一番ヤバいですね。梨央の活躍を期待してたのですが、ほとんど捕まってましたし、最後は花穂に全部持ってかれましたwしかしこの後の人間関係修復とか無理なような…(軽音部とか風子とか)2012/09/27
いかずち
12
(簡易)オススメ度:★★★★★2012/08/27
星野流人
10
電撃文庫の土橋作品では、ツァラトゥストラ以来、久しぶりに楽しめた作品だった。土橋さんらしい、極限状態で見えてくる人間の薄汚い部分と、それでも浮かび上がる純粋な真実と想いがうまく描かれていた。島から脱出する鍵の正体や、クライマックスの流れるような展開はとてもおもしろかった。非常にブラックなストーリーではあったが、ラストはなんだかコミカルな感じになっていて、明るい読後感だったのは良かった。まぁ、個人的にはああいう形の性行為云々にまで話は及んでは欲しくはなかったかなって。ラノベだし。2012/09/04
しろ
9
☆8 1巻の布石が上手く生きて、素晴らしいサバイバルゲームになった。嫉妬、劣等感、責任逃れ、そんなものが渦巻き、裏切り、抜け駆け、陥れたりしていく。危険の少なそうなゲームだけど、同級生たちが対立しあっていくまでを違和感なく描くためによく考えられている。欲望に忠実で馬鹿な男子、勝手で自己利益中心の卑劣な女子、どちらもしっかり貶められているのもいい。最初は地味かと思ったけど、これくらいじわじわと狂った方が、真実味も生まれると感じた。こういうドロドロな話は面白い。2012/09/30