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内容説明
この街は壁に囲まれている。札幌を襲った天災から十六年、復興という名の再開発事業のせいで、街は厚く高い壁の中にすっぽり収まっていた。そんな街で育った十五歳の少年・駆は外の世界への憧れを抱いている。怖いもの知らずの彼は、街一番の秀才・勇夢と幼なじみの夏月を巻き込み、無謀な脱出作戦を計画するが…ある夏の日、放課後の屋上に“過去へ駆ける少女”が落っこちてきて―!?一人の少女が巡る三つの暦。壁に秘められたナゾを紐解く、青春のロスタイムストーリー。
著者等紹介
本田壱成[ホンダイッセイ]
ライトノベル作家。1988年、宮城県生まれ。現在は、東北方面の大学院に在学している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
dr2006
39
面白い!大好物のSFタイムリープものでしかも舞台は札幌。壊滅的な天災の後の再開発により、札幌の街は円形状の厚く高い壁によって囲まれた。不自由の象徴の様な壁、そんな閉鎖的な街で育った駆と勇夢、夏月の三人は壁の外へ脱出したいと考えていた。だがある日、何もない空から突然、少女こよみが降ってきた。こよみはある目的で未来から来たと云う。こよみのいた未来を軸に彼女の謎を紐解くミステリアスなプロット。その未来、特別に人と同じ様に意思を持ち不合理な判断もしてしまうアンドロイドのカレン(一人称)の心の声に切なさを感じた。2017/10/01
coco夏ko10角
32
壁に囲まれている札幌、「過去へ駆ける少女」との出会い、そして現実……。読む前に想像していたよりずっと壮大だった。作品として最後の章が必要なのは分かるけど、物語としてはその前で終わるのが好き。2015/12/04
た〜
25
突飛な設定、お約束な登場人物。スタートは典型的なラノベ。ところが章が進むにつれて深みを増す展開と明かされていく世界観の意味にどんどん引き込まれていく。そしてラストシーンに思わず唸らされる。救いがないはずなのに希望をいだかずには居られない2012/06/27
ソラ
16
一つ一つのストーリーは良かった。特に第一章は切なかったなー。ただ、その世界観の設定が何となく受け入れられなくて、その世界に入りきれなかったかなー2012/07/07
のいじぃ
14
読了。永遠に続くことなく、永遠に継がれゆく物語。発行はこちらの方が先ですが、同じMW文庫の渡来ななみ著「天体少年。」と構造が被ります。ある程度、予測できる展開ではありますが、少年たちの、アンドロイドの、少女のそれぞれの想いが心に刺さります。多少の粗さはあるものの、逆に想像できる隙があるので、膨大な歳月を追いながら、楽しくも切ない余韻を残すお話でした。…で終われば良かったのですが、最後の章は蛇足であり不要に思えました。下手をすると物語そのものを台無しにしてしまいます。それでも良いと思える一冊ではありました。2013/10/22
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