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内容説明
地球に巨大な隕石が落ちてくる―。救いのないニュースで、人間たちはパニックに陥った。街が狂気の渦に飲み込まれる中、僕はひとまず会社へ出勤してみる。しかし、そこで待ち受けていたのは、閑散としたオフィスと、血まみれの死体だった…。明日をも知れぬ恐怖で次第に歪んでいく日常を潜りぬけ、僕は逃げる。途中で出会った殺人犯の老人や、ひきこもりの無口な少女とともに、僕は逃げる。空に光る隕石から。そして見えない運命から。
著者等紹介
高村透[タカムラトオル]
1983年、兵庫県神戸市生まれ。神戸大学大学院人文学研究科前期課程修了。元某銀行コンプライアンス調査室員。とある劇団において作・演出等を手がけていたが、同劇団は事実上解散。’10年、小説家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
F
23
巨大な隕石が落ちてくる。それでも会社に行くことにした僕は成り行きで、引き籠りの少女と殺人犯のおっさんと逃げることに……。社会によって丹念に隠されていた生と死が剥き出しになる時、止まっていた僕の心は激しく揺れ動く――。前半が凄まじいボトルネック。『終末のフール』を期待して読み始めたら劣化村上春樹が始まっていたという具合。脈絡のない支離滅裂な会話に何度ぶん投げたくなったことか。だが、後半、ホスピスで過ごす安らぎの日々の後に待っていた展開には読み入り、そしてラスト、胸に響くものを得た。「逃げろ。」どこまでも。2011/12/24
おかむー
15
終末モノではあるけれど、巨大隕石が迫るというのはあくまでも舞台装置。極限状況でさらけ出される登場人物の心を描いているはずなんだけど… どうにもそれぞれの心理描写が悪い意味でハイセンスな表現、まわりくどくてわかりづらい。主人公もそうなる理由があるとはいえ、ひたすら虚無感を漂わす割には無闇に他人に関わって立ち位置があやふや。ラストあたりで一応トラウマの昇華はできた様子ながら、なんともスッキリしないままの結末でこれを『良い』とは評価しづらいなぁ。『可もなし不可もなし』。2012/10/21
さばかん
13
なかなかにリアルだった。 つまりは何かとてつもない脅威によって、世の中が瓦解してしまったとき、世紀末と言っても過言ではないかのような、都市機能が失われ、秩序が崩壊したとき、そんな世界で人はどう生きるのか、何が変わり、何が変わらないのか、何を想い、何を想わないのか、そういうのを書きたかったのだろう。 色々なものから逃げていた。形あるものないもの。 何か色々なことがあった。でも……何も言えない。 生きた人がいる。生を全うしたんだ。 そしてこれからも逃げ続ける人がいる。 このクソッタレな世界で。2012/11/03
ヤスヒ
10
ある朝、テレビをつけると地球に巨大隕石が落ちてくるというニュース。アナウンサーは「逃げて下さい」と繰り返すだけ。主人公は取り敢えず会社に向かうのだが…という幕開けで物語は始まる。粗筋をみて面白そうだなと読み始めたのだが、想像していたものと違った為(…かどうかは分からないけれど)いまいち世界観や話の流れが掴みきれなかった。自分の読解力が足らないのか登場人物の行動や思考にもついていけず。ある意味、終末の雰囲気は感じる事はできたのだが…。つまらないわけではないがどうにも物語に入り込めないまま読み終えてしまった。2012/04/27
た〜
9
巨大隕石が落ちてくる!!いつ?どこに??なにもわからぬままとにかく逃げろ。何から逃げるのかもわからぬまま狂気が襲いかかる。はたして逃げ切れるのか(何から!?)2012/04/25
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