内容説明
慶長5年(1600)9月15日、徳川家康と石田三成が覇権をかけて戦った関ヶ原の戦い。豊富な史料や研究書などを読み解いていくと、家康の会津征伐、義に殉じた大谷吉継の西軍加担、島津義弘の戦闘不参加、小早川秀秋の日和見などの通説が覆される。はたして諸将の思惑や作戦とは―天下分け目の関ヶ原合戦の全容がいま明らかに。
目次
第1部 太閤秀吉の死と豊臣政権の分裂―「公儀」をめぐる家康と三成の対抗(関ヶ原合戦の原因は何か;「五大老・五奉行」制はあったのか;前田利家・利長父子は家康と対決するつもりだったのか ほか)
第2部 関ヶ原前哨戦―小山評定から家康赤坂着陣(家康はなぜ小山・江戸に長く留まったのか;徳川秀忠の中山道進軍の目的は何か;徳川軍の主力は家康勢か秀忠勢か ほか)
第3部 決戦関ヶ原―西軍の関ヶ原転進から決戦まで(家康は大垣の西軍とどう戦うつもりだったのか;西軍の関ヶ原転進には三成の秘策があったのか;小早川秀秋はなぜ松尾山に陣取ったのか ほか)
著者等紹介
桐野作人[キリノサクジン]
1954年鹿児島県生まれ。歴史作家・歴史研究者。歴閉史関係の出版社編集長を経て独立、戦国・織豊時代、幕末維新を中心に執筆活動を行う。豊富な史料に裏打ちされた独自の視点は読者や学界からも評価されている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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金吾
23
○良く調べて自分の考えを述べていると感じました。上杉、小早川、宇喜多、島津の話が良かったです。2023/12/31
maito/まいと
6
日本でおそらく最も著名な戦いであろう、関ヶ原合戦。その「謎」に迫る一冊。様々な小説で取り上げられているだけに、史実上(そして研究上)関ヶ原ってどうだったのよ?がコンパクトにまとめられていて、わかりやすい内容。三成と家康の戦略違いと、双方の間違い(汚点?)にも触れられているし、全国各地で繰り広げられていた‘それぞれの’関ヶ原についても取り上げられています。特に北陸戦線はあまり注目されていない(結構重要な地点ではあるにも関わらず)だけに貴重。2012/03/29
あまたあるほし
3
関ヶ原の全貌を解くのは本当に難しい。同書では、合戦そのものよりもそれに至る過程を丹念に調べたもの。再刊ながら、結構加筆がされているように思えた。興味深いのは、本戦よりも北陸戦線。前田と丹羽の合戦が、私闘だったのか……。2012/03/01
楽
1
2012年の初版ですが、もとは2000年の『真説関ヶ原合戦』(学研M文庫)に 大幅に加筆修正したものです。210円くらい内容が増えている(はず) 筆者の著作・文章はかなり読んでいる方だと思っていますが、参考にしている文献が豊富で、主張にも説得力があります。 関ヶ原の戦いを題材にした本作でも、いわゆる軍記物をベースにした部分もあるので、そこはどのようなお考えなのか、詳しく聞きたいところではあります。 参考文献の数々は羨ましい限りです。2015/02/10
冬至楼均
1
上級者向け。2014/06/03
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