出版社内容情報
戦前の伝統的な家に育まれた瀬川都は、子育てを終えた40代で会議通訳者となり、さまざまな国際会議を通して歴史の現場に立ち会った。都は、両親を見送り、夫を失ったのちも独りで、「建て替え」を選び進んでいく女性たちと歩みを重ねていく。時を掬う両手には砂金のように光る懐かしい人々の記憶。かつて夫の運転で走ったヨーロッパの街並みを80代で再訪する都は、瓦解しかけているように見えたEU統合の「建て替え」に未来への希望を見いだす。「次は一人で出ます」――娘の心配を笑顔で退け、都の絵巻物はなおも続いていく。
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