出版社内容情報
子と過ごす日々の身めぐりから、先の見えない現代の社会情勢までを鋭い洞察力でとらえ、豊かな歌の言葉で紡ぐ。「新しい母の歌」と注目された第1歌集から7年、子の成長とともにさらに深くなる人間の不可思議と生の哀しみを湛えた待望の第2歌集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
den55
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富田睦子の第2歌集2020年4月初版。先に評を書いた第1歌集「さやの響き」が13年発であとがきによるとその直後からの歌を集めたものとなる。実は当惑している。こんなに歌が変わるのかと驚いている。おそらく作成の日を追って収録されているのだと思うが、日を追うごとに第1歌集の富田睦子が姿を消してゆく。第1歌集の孤独や部屋の中の風景と情念、そして季節や空を歌っていた男でも感情移入可能な歌が淘汰され、母と娘の世界が展開される。敢えて言うが「そこに入れる隙がない」その可能性すら全くないと言ってもいい。どうする男どもよ?2025/10/24




