内容説明
たったひとつのことを、やり続ける勇気があれば、大丈夫。生後間もなく眼球摘出、盲人でありながら普通小学校入学、卒業後いきなりウィーンに留学、そしてガン再発…どんな時も僕は強い憧れのなかにいた。『NHKにんげんドキュメント』『情熱大陸』『徹子の部屋』等で紹介、視力を失った天才ピアニスト、心ぽっかぽかの半生記。
目次
1 誕生
2 なみのり保育園
3 小学校の生活
4 ウィーンへ
5 再発
6 再びウィーンへ
7 ロン=ティボー・コンクール
8 マエストロ・小澤征爾との出会い
9 カーネギーホールへ
著者等紹介
梯剛之[カケハシタケシ]
1977年8月2日、音楽家の両親のもと東京に生まれる。小児ガンにより生後一ヵ月で失明するが、音楽を聞かせると泣きやみ、メロディーを正確に再現した。ピアノを玩具がわりに親しみ、四歳半より本格的にピアノを始める。なみのり保育園、八王子市立中山小学校で幼少を過ごし、90年小学校卒業と同時に渡欧しウィーン国立音楽大学準備科に入学、同年再び眼に悪性腫瘍を患い帰国し手術、翌年ウィーンでの勉強を再開した。98年ロン=ティボー国際コンクール第二位などで注目を集め、世界のオーケストラと共演、以後ピアニストとして華々しい活躍を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Gotoran
7
生後1ヵ月、癌で失明、4歳でピアノを習い始めた盲目のピアニストの苦難と感動の半生記。著者の純粋な心(魂)と豊かな感性の素晴らしさと彼を支える家族(父、母、兄、姉)の愛、その中でも、特に、母親の謙虚さ、前向きな気持ち、気高さ、惜しみない愛情に心を揺さぶられ、生きる勇気と元気を頂いた。著者は最後に未来の抱負を語っている、「美しいすみずみまで届く純粋な音、身体の中から出てくる光った音、心の奥深くにある人間のあらゆる感情を表現することのできる多彩な音色を求めて、それを来る日も来る日も追いかけていきたい」と。2012/06/30
山根清志
0
「日本では誰も聞きていないゴミのような音が、人間を追い立てて、必要以上に忙しくさせている」 「今ある境遇は、努力するようにという天からのメッセージ」 「みんがな協力して優しいものが築かれれば、病気そのものも軽く感じられる」 「目が見えないことで過小評価する社会のほうが、目が見えない事実の何倍も苦しい」2024/02/23