内容説明
自らを犠牲にして国難を排した人を、正当に評価しない。厳しい現実は、直視しない―。日本人の民族的欠点ともいうべき性質は、国際社会にあってしばしば日本を不利な状況に陥れてきた。多くの人命と財産を失ったあげく、最も損な形で行われた幕末の「開国」は、その典型である。人物を軸に日本史を捉え直し、時代を見る目を啓く。
目次
近藤勇
土方歳三
沖田総司
永倉新八
斎藤一
原田左之助
井上源三郎
山南敬助
伊東甲子太郎
藤堂平助〔ほか〕
著者等紹介
井沢元彦[イザワモトヒコ]
1954年、名古屋市生まれ。早稲田大学法学部卒業後、TBS報道局に入社。在職中の80年に、『猿丸幻視行』で、第26回江戸川乱歩賞を受賞する。退社後、執筆活動に専念。独自の歴史観でテーマに切り込む作品で、多くのファンをつかむ
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感想・レビュー
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nori
5
登場人物が多くて関係性が整理できなかったが、明治維新は有名どころの活躍だけではないことが分かった。そして先見の明があった人たち、気づかないふり、問題の先送りだけではなく、消し去ろうとする人たち、今とたいして変わらない気がする。福沢諭吉の「猿に見せるつもりで書け、でちょうどいい」が印象に残った。伊沢さんの表現がおもしろいし、分かりやすい。2018/02/21
りゅっく
4
最近また新撰組ブームとなっており、久しぶりに井沢元彦。新撰組では特に感じなかったが、玉松操、益満休之助、中島三郎助等々知らない人たちもたくさん登場。幕府側も薩長側もはたまた欧米諸国の諸事情などをからめた明治革命の物語が改めて整理されました。さらっと読む歴史読み物としておすすめです。2022/05/03
Kolon
2
江戸末期から幕末にかえて明治維新に関わった人物を有名無名に関わらず簡潔に紹介した本。知らない人物も数々記載があるのだが、実に多様な活躍をしていることが判る。日本が現在に至る道の過程でこうした人材が存在してくれたことは我が国にとって幸運だったと判る本だ。2023/12/11
ホリエンテス
0
逆説の日本史に名を似せた似て非なる本。幕末の人物のウィキ情報的な薄く広い作品。基礎知識としては良いけど深みがない。2008/01/23
寝子
0
流れのある維新列伝。山岡鉄舟が格好いい。。2012/12/22