内容説明
仙台検疫所長・岩崎恵美子。五十歳を過ぎて熱帯医学を志し、安穏な医師生活を捨て去って発展途上国の医療に従事する。インド、タイ、南米パラグアイを経て、日本検疫史上初の女性検疫所長となる。ウガンダでのエボラ出血熱アウトブレイクでは、日本人で初めて現場の治療にあたった。エボラ出血熱からワールドカップの生物・化学テロ対策まで。
目次
第1章 生物・化学テロ対策―ワールドカップ宮城大会の舞台裏
第2章 熱帯医学を極めた日々―崩れゆく顔
第3章 史上初の女性検疫所長の誕生―感染症を水際で防ぐ
第4章 アフリカ大陸―エボラ出血熱の現場へ
第5章 新たなる戦い―西ナイル熱への懸念
著者等紹介
小林照幸[コバヤシテルユキ]
1968(昭和43)年4月5日、長野市生まれ。信州大学経済学部卒業。明治薬科大学在学中の1992(平成4)年2月、奄美・沖縄に生息する毒蛇『ハブ』の血清造りに心血を注いだ医学者の半生を描いた医学史発掘ノンフィクション『毒蛇』(TBSブリタニカ)で第一回開高健賞奨励賞を受賞。1999(平成11)年4月、佐渡でトキの保護に戦後から尽力した在野の男たちの半生を描いた『朱鷺の遺言』(中央公論新社)で、第三十回大宅壮一ノンフィクション賞を同賞史上最年少で受賞。日本文芸家協会、日本推理作家協会、日本熱帯医学会各会員
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感想・レビュー
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のんの
2
実際に活躍されている女性検疫官のお話。50代から熱帯医学について興味を持って勉強し直して、感染症の流行している現地へ飛んで、国内に帰ってきて感染症が流行った時の対策を次々と打ち出す。講演会とか、いつか実際に聴いてみたいな。2017/01/14
アル中の魔女
1
大変興味深い内容で面白かった。この本を読み、日本という国が核兵器、生物兵器、科学兵器のすべての被害にあっているにも関わらず平和ぼけして生きているのだなということを痛感した。2012/07/06
masutani
0
NBC兵器をすべて被った唯一の国、日本。若者バックパッカーへ『地球の歩き方 旅のドクター』の必要性2020/08/10