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内容説明
人生の成熟とは何か。初の比較文学的ヘッセ研究書。ヘッセは、かつて青春のバイブルとして、いま老いをどう生きるかのアドバイザーとして愛読されている。著者はヘッセの多様性とその愛容の変遷を論じつつ、新たなヘッセ像をさぐり、日本人の精神史を解明する。
目次
序 読者の世界
ヘッセと日本人
ヘッセにおける「教養小説」問題
ヘッセとスイス
『ペーター・カーメンツィント』について
『シッダールタ』における愛の意味
映画となった『荒野の狼』
ティチーノ―クリングゾルの世界
ふたりの友―ヘッセと私
同時代人ヘッセの新しい光彩―「国際ヘルマン・ヘッセ・シンポジウム」に出席して〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぷほは
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最後の方で『荒野の狼』が映画化していることを知り、アマゾンで見ると三千円で中古があったので購入。定価は14,800円で、この時代のVHSの高価さを思い知らされる。途中で入るアニメーションは切り絵で、モロにテリー・ギリアム的というか。内容もほぼほぼ原作に忠実で、ヘルミーネ役のドミニク・サンダの中性的な美しさは特筆されてもいいだろう。それから評論家の森本哲郎が、連合赤軍事件の際に今の若者を理解するには『荒野の狼』を読むとよい、と朝日新聞で書いていたという事実も、そのとんちんかんぶりが興味深い。2015/12/02