内容説明
世の良識をひっくり返し、その一流のウィットと絶妙の逆説的レトリックで“道徳”をしゃれのめすユーモア人生論。
目次
知らない男とでも酒場へ行くべし
教師を内心バカにすべし
大いにウソをつくべし
人に迷惑をかけて死ぬべし
泥棒の効用について
処女は道徳的か?
処女・非処女を問題にすべからず
童貞は一刻も早く捨てよ
女から金を搾取すべし
うんとお節介を焼くべし
醜聞を利用すべし
友人を裏切るべし
弱い者をいぢめるべし
できるだけ己惚れよ
流行に従うべし〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はな
49
不道徳教室といいながら人間の心理をつき道徳的なエッセイでした。三島由紀夫は魅力的な作家です。どれも面白かったけど、告白するなかれが良かったです。なるほどと納得する思いでした。2016/07/27
テツ
25
『不道徳教室』というタイトルでそのような内容を書いていても真に伝えたいのは三島由紀夫が思う美しい物について。小説での重厚で格調高くとっつきにくそうな文章とは違い、エッセイはユーモアだらけで親しみやすい。頭が良い方だったんだなというのが滲み出ているよな。道徳的な部分と不道徳な部分との割合がどのくらいなのが一番人間としてのバランスが良いのかということについては三島の最期を思い考えてしまった。自身の道徳的な部分に殉ずることなくもっと色々書いて欲しかったよな。本当に残念。2017/02/05
しーふぉ
14
こんはエッセイも書いているんですね。時代は変わっても人間はそんなに変わらないのが実感出来る。2015/09/19
春
8
三島由紀夫作品は『金閣寺』しか読んで無いのですが、やはて天才は違うなと感じ入る一冊でした。読みやすい文章で、当時の世間について不道徳な事を事例にして三島的道徳をといているというか…親しみやすい題材を見事な切れ味でさばいていてなんともスパイスが効いています。なんて、こんな感想を書く事事態が罰当たりっぽい感じです。2013/03/27
yuri9976
7
「知らない男とでも酒場に行くべし」「教師を内心バカにすべし」というような、人を煽るようなタイトルのエッセイが69個もあって、日々の気分転換に丁度よい、スパイシーな清涼剤のような一冊。小説の美文調とはまた違うけれど、この人の美意識や観点が垣間見えて、そういえばもう50年近く前の著作だということを忘れていた。現代に読んでも全く古さを感じさせない、鮮やかな文章です。2014/10/26
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- 洋書
- Martyr!