内容説明
厳選した四十八語の日本語のたのもしさの秘密を憶測。外来語についても相当数の語を憶測を交えて吟味。たのもしい日本語の挨拶の本質も徹底的に類推。ビジュアル時代の即応し内容を面白可笑しくするために、吉田戦車による図版百点以上を、最適な位置に収録。付録として実用的な手紙の書き方を模索。その他、半端な知識、個人的な思い出、与太話なども満載。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
つるる
2
先日「吉田戦車読書会」の課題図書にした本。 古めかしい文体と本当の会話さながらに脱線しまくる謎話術と、むやみやたらに参入してくる担当佐藤のすっとぼけ具合、そしてなにより吉田戦車、川崎ぶらの豊富な語彙力とエピソードの特異さが魅力。 そして人の褒め方、褒められ方もちゃっかりと身につくところも素敵。 「ブラボーと言わせてもらうよ」「いや、ブラボーには及ばないよ」 「ほほう、膝を打たせてもらうよ」「ああ、ポンと打ってくれ」 などなど、互いを褒めながらつつがなく進む「たのもしき日本語」の検証。朗らかな気持ちになる。2019/09/18
朱音
2
数ある日本語本ではなく、この本はどちらかというとA・ビアスの「悪魔の辞典」に近いかな?日本語ってなかなか「たのもしいじゃないか」と言う観点で一文字につき一語を検証してゆくのだが、その選ぶ単語の面白さと二人(担当・佐藤氏も交えて三人)のやり取りが面白い。なにより二人の会話の文体、「なんだかわからないが、いい感じだな。拍手をさせてもらうよ」「いや、拍手には及ばないよ」のような、妙にレトロなところがいい。2002/11/22
kurokoge
1
刊行された当時、〽あらこんなところに牛肉が、というフレーズで有名なCMがあったのですが、それを踏まえての、宇宙飛行士が月面で同じフレーズを歌う挿絵(もちろん戦車さんの)が好きで好きで、いまでもたまに見返します。
くまごろー
0
用語のチョイス……!2010/03/31
七六式
0
マンガ家の吉田戦車と作家の川崎ぶらが主に日本語の単語を選び、それについて語り合う対談本。単に辞書上の意味だけでなく実際の用例から考察していることもあって、月並みでない発想と自由闊達な問答になっています。吉田戦車のマンガに見られる独特な言語センスが、決してマンガ用に考え出されたものではなく作者自身にとって自然に出てくるものだと知ることができるし、またそれを受けて立つ川崎ぶらの応答も面白さを引き出し合っている。無論学術的なものではないが、日常といえども会話的な思考とはこのような味が欲しいものだと思う。
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