内容説明
政治家を目指す日比野は、大学卒業後、政界のキングメーカー、望月の秘書になり、頭角を現す。だが、有力後援者の息子が引き起こした強盗傷害事件の控訴審に関わったことから運命が暗転し始める。そんな最中、望月の病状が悪化し、補欠選挙の話が現実味を帯びてきた…。望月の後継に就くのは日比野か、それとも闇の勢力をバックにしたライバル秘書か。スリリングな展開で読者を圧倒するビザール・サスペンス。
著者等紹介
蓮見圭一[ハスミケイイチ]
1959年秋田県生まれ。立教大学卒業。新聞記者や雑誌記者を経て、2001年『水曜の朝、午前三時』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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そのぼん
24
政治家の秘書をしている青年の目線から綴られた物語でした。初めは真っ白とまではいかなくても、後ろ暗いところはなかった主人公が徐々にグレイゾーンから暗闇の方へ歩みを進めていく過程が垣間見えました。淡々とした文体で描かれいる分、読んでいて複雑な気持ちになりました。感情移入もしづらかったけれど、何故か最後まで読んでしまう作品でした。2012/07/11
ぺんぎん
16
政治家を目指し議員秘書になって頑張ってたのに人生ってわからないのね。難解ではないけど最後はこういう終わりでよかったかなと。2011/12/03
スノーシェルター
10
政治家を目指す若者の話。サラッと読めた。読み物としては、面白い。私にはわからない世界だけれど、現実の政治家がこんなのばっかりなら、くたばれば良いのにと思う。2012/01/19
来訪者
9
旅行中の行きの新幹線で読了。政治家の秘書さんが次々起こるトラブルに奔走する物語。なかなか面白かったですし私もこんな人に付いてみたい。割りと軽いのであっさり読了してしまい何冊か仕入れなければならないのが、、2012/08/15
みみぽん
8
これは驚き。恋愛小説の幡手と言われた著者。これまで同様に詞的でほろ苦く甘いストーリーを想定したら今回は一転。ノンフィクション系のハードボイルド。代議士の私設秘書となった主人公の日比野。彼がいつか政治家になるべく野心をいだきながら、ドロドロのきな臭い人間関係に浸かってゆく。彼がどんな経路を辿り成功するのか、脱落するのか中盤までハラハラしたが、どちらでもなく終わってしまった。日比野が大事件の中でもどこか「のほほん」としてるのがリアリティ?なのか緊張感が伝わってこず。書きたいジャンルがまだ定まらなかったのかな2020/01/22