内容説明
江戸情緒とほのかなフランスの香り、東京の新名所、黄金坂。裏通りのバー、HOLLOW―会員制なのに立ち呑み、しかも昼酒限定―ここを事務所代わりに素人探偵を始めることになった就職浪人の隼人と、同級生の楓太&謎のバーテンダー、イズミ。賑やかでバカみたいで「あのころ」みたいに楽しい日々。だが…。
著者等紹介
加藤実秋[カトウミアキ]
1966年東京都生まれ。2003年「インディゴの夜」で第10回創元推理短編賞を受賞しデビュー。同作はシリーズとして書籍化され、シャープで映像的な文体で描き出す都会の風景と、魅力的なキャラクターが好評を博し、ドラマ、舞台化された(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kishikan
36
一言でいえば、あまり面白くない。二言いわせていただければ、読みにくい、物語に入り込めない。ミステリのようでミステリじゃない。青春ドラマ・・のようでもない。どこか中途半端、それでいて現代風のゆるい小説かというと、そんなふうでもない。要は、それぞれのキャラクターが際立っていないことにつきる。せっかく、神楽坂という特色ある地域を舞台にして、それぞれの人物設定は面白いのに、特徴がなくイメージしにくい。隼人もしかり楓太も、みんながそう。食べ物も飲み物も中途半端。だから「イズミ」の経歴の謎というのが余計いらいらイラ!2011/08/31
藤月はな(灯れ松明の火)
35
楽しい時間を送っているのに相手に劣等感を抱き、卑屈にさせる相手にイラついたり、ガキじみた仕返しをする。傍から見ると些細なことでも本人からすると大したこと。それでも視点を変えるとその小ささがはっきり、分かるのが痛いと気づくのにはなかなか、難しいし、気づかない。人と上手く、付き合うことと立ち回れることは似ているようで意味が違う。そういった若さの痛さと苦さの描写は抉り出されていたのですが朝美が本当に人を殺したのか、イズミは何者なのかが結局、未解決で拍子抜けの感がありました。2012/05/25
ひめありす@灯れ松明の火
31
都内にある空想の街「黄金坂」を舞台に高校時代の友人とミニコミ誌の取材をお題目に地元の街を駆け巡り……悪ガキ探偵団の隼人と楓太、芸者さんの雪乃とぼたん、そしてトリを飾るのは昼限定会員バーの摩耶とイズミ。完成された大人の街に、それでも存在する若い人間達が悪戦苦闘する様子が丁寧な街の表現と一緒に書かれています。町の表現はすごく丁寧で綺麗だし、創造力もかきたてられるんだけど、人がいつまでたってもよく見えてこないのが残念でした。いつまでも現役のようだった友情が崩れていった、朝美の事件は一体何だったんだろう。2011/10/06
ゆにこ
27
登場人物たちが、なかなか頭の中で動き出さなくて読みにくかった。2014/05/26
まつじん
21
オトコ二人で色んな事件を解決~しかも二人のカコには秘密が・・・ ありきたりな設定、で、カコの謎がさっぱり解決されない。これまた謎の人物がそばにいる。あーつまんない。”本読み女子”はこういうのが楽しいのだろうか???おっちゃんには謎が謎のままってのはイヤなんですが。2011/11/05