内容説明
地方には、光がある―物語が元気にする、町、人、恋。とある県庁に突如生まれた新部署“おもてなし課”。観光立県を目指すべく、若手職員の掛水は、振興企画の一環として、地元出身の人気作家に観光特使就任を打診するが…。「バカか、あんたらは」。いきなり浴びせかけられる言葉に掛水は思い悩む―いったい何がダメなんだ!?掛水とおもてなし課の、地方活性化にかける苦しくも輝かしい日々が始まった。
著者等紹介
有川浩[アリカワヒロ]
高知県生まれ。第10回電撃小説大賞『塩の街wish on my precious』で2004年デビュー。2作目の『空の中』が恩田陸・大森望はじめ読書界諸氏より絶賛を浴び、『図書館戦争』シリーズで大ブレイク。雑誌「ダ・ヴィンチ」(2011年1月号)の好きな恋愛小説ランキングでは『ストーリー・セラー』が1位を獲得。『キケン』は第1回山田風太郎賞の最終候補作品となる。また、『シアター!』を原作とした舞台「もう一つのシアター!」では初めて脚本を執筆した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
射手座の天使あきちゃん
1198
久し振りの有川さんテイスト 完読、感動、「まっこと、小説は面白いぜよ!」(笑) お約束の「オトコマエ女子」に「へたれ男子」、完熟マンゴー顔負けの糖度全開Love、そして今回は有川さんの溢れる郷土愛と父親自慢もアクセントに (^_^)v 気になるのは、「・・・その一言は飲み込む」とか感情表現まで書きすぎて、読者の想像の芽摘んでません!? あはは <(^_^;2011/08/22
kishikan
1166
高知出身の有川さん。きっと故郷が好きなんですね。熱いものを感じます。この物語は、フィクションだけど、主人公の掛水君も多紀ちゃんも、きっとモデルはいるだろうし、第一この物語に出てくる作家の吉門さんは有川さん本人だろうし、みんなみんな現実にいる人たちを描いているからリアルなんだろうなぁ。そもそも高知県庁観光部おもてなし課は実在するし、この本に出てくる観光地も本当に良い所みたいだし(特に、馬路村!HPを見てください)。各自治体の観光施策に苦労している皆さん、是非読んでください。きっと何かヒントが得られますよ!2011/05/02
takaC
1110
面白かった。久しぶりにじっくり高知で休暇を過ごしたくなった。もちろん滞在先は「民宿きよとう」で。言葉の指摘は一ヶ所だけさせて欲しい。268ページの「クレジット」。2011/09/04
hiro
1094
いつもながら有川さんの本には、はずれがなく安心して読めます。今回は、『ゆず、香る』でもでてきた馬路村なども含め高知県の各地が紹介され、有川さんの高知県観光特使の役割と郷土愛あふれた観光小説であり、掛水と多紀、吉門と佐和の二組の、いつものように糖度が十分な恋愛小説でもあり、また県庁職員の仕事ぶりが垣間見えるお仕事小説でもあり、そして主人公たち県庁職員の成長譚という大変欲張りな小説でした。高知県から外にでない小説なので当然ですが、“土佐弁”は新鮮でした。ただ、『県庁おもてなし課』の本屋大賞辞退は残念です。2012/02/18
もりのくまお
957
今の役所の新幹線だの道路だのインフラを作れば、人は集まるというのは確かに間違いだと思う。清遠みたいな柔軟な発想を持った人間に知事や市長を任せられればいいのだが。官僚機構を破壊するだの過激などこかの知事とは、清遠のセンスは違うなと感じる。役所の持ついい面を上手く使いつつ、発想力で新しいことを考える、硬軟両面の手法を上手く使いこなせることが上に立つ人間には必要だなと深いことまで考えさせられました。 有川物にありがちな恋愛モードに作中、掛水と多紀がならなかったのは良かったと思う。馬路村には是非行ってみたい。2013/05/03