内容説明
ハジュンは、強国アインスに滅ぼされたトール国の王子。ひそかにシーハン公国へと脱出し、過去を捨てて成長したが、十年ぶりに、故国に帰ってくる。アインスに虐げられ、音楽まで禁じられたトールの現状に穏やかではいられないハジュンだが、美しく成長した幼なじみで笛の名手のマーリィと、心通わせていく。しかし、マーリィの元に足しげく通ってくる謎の青年カリオルが、実は、仇であるアインスの王子だと知って―。
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- 評価
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
七色一味
49
読破。『碧空の果てに』の続編で、シーハンの隣国として、国内が二分していたと紹介されていたトールが舞台。独自の舞踊楽曲を禁じられ、民の鬱積のはけ口もなく内部圧力の高まる地を踏んだハジュンと、幼馴染のマーリィの再会──。国を巻き込む手に汗を握る陰謀とラブロマンスは、引き込まれる構成になっているかと。ティム、カイ、ターリ、そしてメイリン。前作からそれぞれ成長した姿も見れ、作品世界の、乾いた風とサラサラと崩れる砂丘の空気感や臨場感もしっかりと伝わってくる。次作も楽しみです。2013/06/01
BlueBerry
42
これも「碧空の果てに」同様、恋愛がメインなんですね。そこそこは面白いですが私としては冒険寄りの方が好みなのでやはり今一つな感じ。シリーズ3作目はとりあえず保留で。2013/12/01
しゅてふぁん
24
鞋職人の娘であり笛の名手でもあるマーリィと自国の元王子ハジュン、そして敵国である隣国の王子カリオルの物語。前作の『碧空』の登場人物もチラッと出てきて、舞台は他国であるけれど、続きの物語であることが感じられてよかった。ハジュンもカリオルも素敵だった。自分の立場では望めないことがわかっていて、悩んで迷って、その上で冷静に判断を下すことができる。この物語に出てくる若者はみんな聡明で、気持ちがいい。三部作の最後の物語も楽しみだな。2016/08/15
のほほん@灯れ松明の火
14
そんなに厚い本ではないのに、中味はぎっしりと色んな話が凝縮されていたように感じました。王子でありながら、きちんと謝ることのできるカリオルがいいなぁーと。。。 読みやすい文章で、スラスラ進むのですが、ただ国を取り戻すだけでなく、その後の国の姿を考え悩んだりするところは、深いなぁーと思いました。 マーリィーの笛の音が、戦いに何か大きく絡んでくるのかと、ちょっと深読みし過ぎて読んでました。。。2011/04/12
ふみ
12
「碧空の果てに」がすごく面白かったので、これが3部作のシリーズだと知って、すぐにこの本を手に取りました。うわっ、これは女1人に男2人が想いを寄せるという黄金パターンではありませんか!(笑)身分の差があったり、国の衝突があったり、盛りだくさんな中、やさしく爪弾かれる琴と笛の音が始終流れていて、美しい舞台を眺めているかのようでした。単独でも楽しめるけど、やっぱり第1作目から読んだ方が、いろいろな人間関係が見えて面白いと思います。2016/02/06