内容説明
東京を壊滅寸前まで追いやった大震災から４年後、息子を喪った刑事くずれのヤクザ巽丑寅は、不思議な魅力を持った少年、丈太と出会う。彼の背後に浮かび上がるいくつもの謎―消えていく子供たち、埋蔵金伝説、姿なきアナーキスト、不気味に姿を変えつつあるこの街―すべての鍵は封鎖された「島」、お台場に―！？震えるほどリアルな「明日」の世界に、守るべきもののため全力で挑む人々の姿を描いた、フルスケールの感動ミステリ！第３０回横溝正史ミステリ大賞受賞作。
著者等紹介
伊与原新［イヨハラシン］
１９７２年大阪生まれ。東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻博士課程修了。大学勤務の傍ら２００８年より小説執筆を開始し、第５５回、５６回の江戸川乱歩賞で最終候補となる。本作で第３０回横溝正史ミステリ大賞を受賞（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ダイ＠2019.11.2～一時休止
112
デビュー作。初読み作家さん。ミステリーではなく近未来SF？として楽しめた。2016/05/11
ねむねむあくび♪
104
図書館の本。『ルカの方舟』で興味を持ったので読んでみた。ルカの方舟は、ガッツリ理系ミステリーだったが、本作はＳＦに近いディストピア物｡元刑事と少年が巨悪と闘う。なかなかのボリュームだったが、展開が良く飽きさせない。女刑事に大学教授、ヤクザに中国人頭領と、周りの登場人物もキャラクターが立っていて、魅力的だった。読んでいてこれはこれで充分楽しませてもらったが、この近未来ディストピア物自体、映画やアニメなどで今まで沢山目にしているので、設定自体が少々食傷気味。迫力のある近未来映画を観たような読了感は味わえた。2016/02/21
カレイ.シュウ
75
作者デビュー作。近未来日本の地震で孤島となったお台場で、無国籍孤児たちが事件に巻き込まれていく。背景の動機等はありふれていて物語もそんなに突飛ではありません。うーん無理して読まなくても良いかな？2019/05/29
のり
74
東京湾を襲った大地震で壊滅的被害を受けた東京。特にお台場は悲惨な状況に…そんな中、元刑事の「巽」と少年の「丈太」は出会った。震災ストリートチルドレンと呼ばれる無国籍児。その少年少女を集める無政府主義者の「オオスギ」と名乗る男の目的とは…お台場封鎖と金の動き方も政府主導だが、こちらもきな臭い。全てにおいて壊れ続ける🔥日本。子供達の未来を奪ってはならない。2023/05/22
Koichiro Minematsu
52
震災で壊滅した日本首都圏の近未来的ディストピア物語。他の作品を先に読んだので、違った伊与原氏を読んだ感じ。いつも犠牲になるのは弱い子供であって、しかし力強く未来を生きるのも子供達。そんな願いも感じた。2022/05/01
