内容説明
旧大蔵省高官が二人、相次いで殺害された。政治テロか、それとも―。被害者の共通項として七年前の「明和銀行事件」が浮かび上がり、その事件で殉職した松浦刑事の息子・亮右の名前が捜査線上に挙がった。松浦の盟友で警察学校教官の赤松警部補は、亮右を緊急避難させるべく伊豆の別荘に呼び寄せる。だが…。公安部と刑事部の暗闘。与野党伯仲で二分される警察官僚。『刑事たちの夏』で警察小説ブームに火を付けた著者が満を持して放つ至高の警察小説。
著者等紹介
久間十義[ヒサマジュウギ]
1953年北海道生まれ。早稲田大学文学部仏文科卒。87年、豊田商事事件を扱った「マネーゲーム」で文藝賞佳作入選しデビュー。『世紀末鯨鯢記』で三島由紀夫賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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乱読999+α
5
初、久間十義氏。題名に偽りあり、どこが聖戦だったの?元大蔵省官僚が相次いで殺された。原因は以前に暴露された同省を巡る不正事件か?刑事部と公安部が鎬を削り、暗躍する国家規模のテロの様相と思いきや・・・何というチンケな犯人とその動機、結末。しかもあまりも都合良く事件が廻っていませんか? 正直、ガッカリ・・・です。2017/09/22
黒豆
5
過去の事件の背景などの描写は丁寧に説明されているが話の展開は遅くまどろっこしいと思っていたら一気に結末。白血病の治療薬グリベックが出てくるなど医療小説が得意なのがわかる。という事で次は「生命徴候あり」へ2015/12/27
mitsuru1
3
旧大蔵省高官連続殺人事件が発生。捜査の焦点は政財官を巻き込んだ七年前の疑獄事件へ。 帯より なんだろう最高の食材を使ったコンビニ弁当みたいな感じ、もっと面白くなりそうなのに。2010/10/11
gokuri
2
久間氏の得意分野。警察、検察、官僚の抗争を背景に発生した事件に踊らされる登場人物たち。作り話ではあるが、リアリティを感じられるところも多い。犯罪捜査の結果とは、意外なくらい唐突におとずれるのかも知れない。続きを読みたい気もする。2015/05/24
オオイ
2
バブルの後始末においての、政・官・業 の癒着に伴う狭間で犠牲になった人の子ども達や、問題の対応についての警察内 公安、刑事部の対立等 かなり色々からませすぎてストーリーが荒くなってしまっている。2011/10/18