内容説明
広島で起きた殺人事件。被告人は判決で無罪となった。だが14年後、末期がんに冒された元被告は告白した。犯人は自分であると…。その直後、事件を担当した裁判長・末永が殺された。嫌疑をかけられたのは被害者の息子・吉岡拓実。拓実は本当に事件を起こしてしまったのか。裁判に関わった二人の判事・正木響子と穂積直行、そして拓実の恋人・高遠乃愛は、二つの事件に隠された驚愕の真相に翻弄されてゆく―。司法格差の闇を鋭く抉った衝撃の問題作、戦慄のラスト。
著者等紹介
大門剛明[ダイモンタケアキ]
1974年三重県生まれ。龍谷大学文学部卒。『雪冤』で第29回横溝正史ミステリ大賞&テレビ東京賞をW受賞。受賞後第1作『罪火』は『雪冤』以上の出来映えと各誌から絶賛を浴びる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Satomi
77
事件から14年、当時の裁判長が判決を誤ったと告白、そして殺害された。事態は再び動き出す…。裁判員裁判、法テラス、司法の問題に深く切り込んだ社会派ミステリー!!小難しい言い回しが多く、なかなか読み進まない。けれどその堅苦しさは決して嫌いじゃない!!!確信犯…普通犯罪者は自分の行為がの行為が悪いってわかっててやっている。だけど確信犯は違う。むしろ彼らは正義のただ中にいると思っている… 私も確信犯、会議を荒らすのは正義の為です…笑!!!!2016/02/06
やも
75
ある殺人事件の被告人は無罪になった。だが14年後、末期がんに侵された彼は言う、「私が犯人です」と。当時その事件に関わった人を中心に、事態は目まぐるしく動き…。後半になって勢いはフルスロットル💥TVも使ってど派手にある人を追い詰め、自らの矜持を打ち出す。(えっ…まさかあなたが!?)ってのが何度かあるんだもん、読ませてくるね〜!ところどころあった、思わせぶりな伏線だったのに_( ┐ノε:)ノズコー💦もいいアクセントってことで。弁護士界の知れざる苦悩、人が人を裁く難しさ、過ちの償いに切り込んだ作品。★42022/05/02
takaC
71
この展開は想定外だった。驚いた。しかし小説として面白いかどうかは別。登場人物が多過ぎて把握しづらい。2013/09/13
ミーコ
55
どう言う結末になるのか ドキドキ・・・ 響子さんが まさか!そんな~ で唖然としましたがー。 それにより薄っぺらな穂積が、こんなに人格が変わるものか‼と、違和感が有りました。それでも面白かったです。 最後のどんでん返しには 驚きました。拓実の その後が気になります。2015/09/21
takaC
54
文庫の改良を確認するために図書館から借りてきて再読してみた。些細な言い回しぐらいの修正みたい。この事件は現実的に起こり得るのだろうか。(日本の)警察の捜査はもっと厳しいのではないだろうか。2014/10/21