内容説明
住宅ローンにパワハラに、転職婚活株価に過労―大人はもれなく大変だ。でも、中3男子にゃかなわない。痛くてバッカみたいで、愛おしい―思春期4人の必死な日々。
著者等紹介
久保寺健彦[クボデラタケヒコ]
1969年、東京都生まれ。立教大学法学部卒業。早稲田大学大学院中退。2007年「みなさん、さようなら」でパピルス新人賞、「ブラック・ジャック・キッド」で日本ファンタジーノベル大賞優秀賞、「すべての若き野郎ども」でドラマ原作大賞選考委員特別賞の新人賞3冠を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミーコ
56
表紙を見て、爽やかな青春モノのお話かと思って読んでみたけど「願いましては」以外は好きになれませんでした。中学んとき"の男の子は、もう少し子供っぽくない❓と違和感も・・・ イジメの話は読んでて しんどかったです。心の中にモヤモヤが残った感じ…。2015/12/22
純子
27
表紙と帯の言葉に、お気楽な話かと思って借りてみたら、内容はかなりシビアでした。一般的な15歳男子はもっと単純な心内で生きているような印象だけど、ほんとは大いなる葛藤のなかで生きていたりするのかもしれないな、と。最後のいじめの話は、連日自殺のニュースを見るから、遠い世界のことではないと思ってとても苦しくなった。クラスの中のヒエラルキー。そこに大人は挑むことができるのかなと、無力感をものすごく感じて切ない。けど、子どもには逞しさもあるんだなと感じられたから嬉しかった。2017/02/15
nyanco
17
短編4編、どれも主人公は中三男子。大人になりかけの危うい感じがとても良く描かれている。好きで好きでたまらなくて彼女のことを考えると鼻血は出てくるし、乙女モードが発動し「君は魔法使い」なんて詩まで書いてしまう。「君が行くから」と志望校まで変えてしまうほど…。頭の中が彼女でいっぱいになってしまう馬鹿っぷりが堪らない。「まったく男子ってバカだよね~」とこちら側から見ていた私に、あちら側の等身大の心情が伝わり、とても楽しく読めました。2009/08/28
あかつき号
14
初著者。 めちゃ面白かった。 世界は全部自分のものになると思ったり、死んでもカッコつけたかったり、女子にはない純真さ、粗暴さ。 不思議なことだけれど、今の自分が最も近いとt思ったのが、「逃げ出した夜」だった。2015/07/27
ヨータン
11
最後のいじめのストーリーはあまりにもむごすぎるし、4編のうち3編は爽やかさが感じられなくて、中学時代の嫌な思い出ばかりがよみがえってきました。そろばん塾のストーリーだけはほのぼのしていて好きでした。年取ったら好きな人と縁側でひなたぼっこしながらそろばんしたいって言う発想がかわいくてキュンとなりました。2021/04/25