雪冤

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  • サイズ B6判/ページ数 396p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784048739597
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

平成5年初夏―京都で残虐な事件が発生した。被害者はあおぞら合唱団に所属する長尾靖之と沢井恵美。二人は刃物で刺され、恵美には百箇所以上もの傷が…。容疑者として逮捕されたのは合唱団の指揮者・八木沼慎一だった。慎一は一貫して容疑を否認するも死刑が確定してしまう。だが事件発生から15年後、慎一の手記が公開された直後に事態が急展開する。息子の無実を訴える父、八木沼悦史のもとに、「メロス」と名乗る人物から自首したいと連絡が入り、自分は共犯で真犯人は「ディオニス」だと告白される。果たして「メロス」の目的は?そして「ディオニス」とは?被害者遺族と加害者家族の視点をちりばめ、死刑制度と冤罪という問題に深く踏み込んだ衝撃の社会派ミステリ、ここに誕生!第29回横溝正史ミステリ大賞&テレビ東京賞W受賞作。

著者等紹介

大門剛明[ダイモンタケアキ]
1974年三重県生まれ。龍谷大学文学部卒。『雪冤』で第29回横溝正史ミステリ大賞&テレビ東京賞をW受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

雪風のねこ@(=´ω`=)

135
トリックの為なら人権を蔑ろにしてしまうミステリー作において、蔑ろにせず大切に盛り込んだ本作は日本らしいミステリー作品と言える。文章はまだ荒削りだけれど寧ろ好感が持てる(因って関西弁が少々おかしいのも些末な問題)四転も五転もする驚きの展開も大変面白い。だが応募時の原題を変えてしまったのは失策と言える。雪冤と表記すればイメージが湧きやすくキャッチであると思う。しかし読み進めてみると、無実の罪を雪ぐ事が主題では無いと気付く。無自覚な悪意こそ諸悪の根源だ。著者が最も言いたかったことであるからだ。(続く)2018/04/09

takaC

98
終盤のどんでん返しの連続は、読み疲れたというのが素直な感想。警察も検察ももっと有能だろうさと思いたい。2013/09/10

いつでも母さん

74
まんまと犯人探しには騙された私。まだまだです(笑)ちょっと長かったかなぁ・・後半の展開にはカタカナが含んでる所為か読むのに必死(汗)冤罪と死刑制度を謳ってる物語なのだが、『それは別次元』と云う通りだと思うよ、オバちゃんも。しかし、慎一君、結構あっさりと(?)死刑執行されちゃったなぁ・・読友さんのレビューに誘われてこの作品を読了するが、大門作家これがデビュー作だったのね~誘われて良かったよぉ!の作品でした。今後も、楽しみな作家さん達の仲間入りです!2015/06/21

64
殺人事件の犯人として、死刑囚となった息子の無実を信じ続ける元弁護士の父親を主人公に、死刑制度の是非と冤罪を描く物語。真犯人「メロス」の存在に、目まぐるしく変わっていく状況。登場する人全てが怪しく見えてきて、先が気になり一気読み。そして辿り着いた真相の是非は置いておくとして、死刑制度についてはずっと正しいと信じてきたけれど、それほど深く考えたことがないことにも読みながら気づかされ、少し動揺してしまった。もしかしたら、心のどこかで真剣に考えたくない問題だと思っていたのかもしれない。まるで他人事のように。反省。2019/04/06

よむよむ

54
文章は荒削り、不自然さもテンコ盛り。でも!ホントに面白かった。どうなるの?どうなるの?という気持ちを抑えられない2日間だった。死刑制度と冤罪という究極の重テーマを丹念に書き込んでいてタメイキが出るほど。結末は・・・まあ、ね。あの、ゴスペル曲を絶対聴きたいと思いました。2010/10/07

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