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カドカワ銀のさじシリーズ
夢見る水の王国〈下〉

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  • サイズ A5判/ページ数 430p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784048739511
  • NDC分類 K913
  • Cコード C0093

内容説明

砂漠の舟人の少年とともに、「黄泉帰りの森」にやってきたミコは、そこの別名が「『世界の果て』の森」であることを知る。同じ頃マコは、黒豹とともに、「世界の果て」を目指していた。砂漠をさまよううち、井戸をつなぐ地下水路へと入り込む。すると、水路から人の腕が現れ、マコは水の中へと引きずり込まれてしまう。それは、水読みを続けていた月の神殿の大長老だった―。圧倒的な筆力で描かれる美しく幻想的な世界。泉鏡花文学賞作家がおくる、ファンタジーの決定版。

著者等紹介

寮美千子[リョウミチコ]
1955年、東京生まれ。子どもの頃より古いものや風習に興味を持つ。86年、毎日童話新人賞最優秀賞。『夢見る水の王国』で泉鏡花文学賞受賞。2006年より奈良市在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

菜花@ほのおかくとう協会門下生

18
最後は盛り上がりにかけるかな、という感じです。けれど、表現は詩的で素敵です。その言葉の端々から、幻想的な世界に誘われます。黒と白のコントラストも美しい。全体的に、物語りというよりは、詩集を読んでいるような印象でした。ちょっと飛んだ表現も多いので、作者様の意図を読み取るには再読が必要かもしれません。2014/03/05

二藍

6
下巻ではオッドアイの黒猫の魂、ヌバタマが大活躍。いいなあヌバタマ。で、どうして読んでいて大変かっていうと、いつまでたっても迷宮を抜け出せない感じがするから。いろんな幻が次から次へとやってきても、ミコ、マコの心情の変化があんまり見られない。ただ『世界の果てに行く』っていう目的だけはあって……。ミコとマコ、ふたりが元の万美子に戻る、その結末は分かるんだけど、そこに至るまでの変化が読みとりにくかったかなという印象。上下巻とも通して、アイディアや描写はとてもよかった。2013/08/03

織町

5
寮さんの紡ぐ言葉が好き。“雨あがりの空は、磨いたように澄みわたった。水晶のように冷たい風が吹きつけてきた”“木の根は地中の夜空にまで伸び、星を抱いて光を吸い上げている”“みんながあなたのなかにいて、あなたはみんなのなかにいる”だから、独りではないのだ。憎しみや悲しみを受け止めて、少女は生きてゆく。世界に果てはない。生きている限り中心にあるものはいつも自身だから。2012/11/13

ハッピーハートの樹

5
下巻です。2人に分かれてしまったマコとミコ。どちらが本当の自分だったのでしょうか。むしろ影とされていたマコのほうが人間らしく感じました。誰の心の中にでも存在している”影”の部分。それを直視するのは辛いことですし、それを捨て去ってしまいたいと思うことは、仕方がないことなのかもしれません。でも本当に失くしてしまったら、人間らしさも失くしてしまうんでしょう。”夢見る水の王国”とは彼女の内面の世界だったのだろうと思います。悲しみから立ち直ることができて良かったです。ヌバタマの献身的な姿には胸を打たれました。黒猫。2012/06/03

紺。。。

4
絶望に面したマミコが、善のミコと悪のマコに分かれてしまう。大好きと共にある、大嫌いという感情を受け入れること。人間の醜さもすべて自分として受け入れること。ミコがマコを受け入れることができたとき、世界はまた動き出す。イメージの美しさが光る物語でした。2014/10/08

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