内容説明
こんなに人を好きになったことはありますか?どうしようもなく惹かれあう僕と彼女。だが、ふたりには恋が許されない理由があった…。『100回泣くこと』を超えた、今年最高のラブ・ストーリー。
著者等紹介
中村航[ナカムラコウ]
1969年岐阜県生まれ。芝浦工業大学卒。2002年「リレキショ」で文藝賞を受賞しデビュー。04年『ぐるぐるまわるすべり台』で第26回野間文芸新人賞を受賞。05年に上梓した恋愛小説『100回泣くこと』は各紙誌で絶賛されベストセラーに。著書に、芥川賞候補となった『夏休み』などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
れみ
113
主人公の山田が所属する研究室に1年間限定でやってきたゲスト研究員のめぐ。ふたりの距離は近づいていく…というお話。でもこれっていわゆるいけない関係ですよね?という正論はひとまず横に置いておいて…こういうさらりと読める文章で綴られる恋愛ものはわりと好き。とはいえラブラブなふたりの会話はかなりむず痒い。で、やっぱり「山田さん好き」とずーっと言い続けるめぐが帰省先では「彼」とどう過ごしているのか想像するとちょっと怖い。個人的には木戸さんが面白くて好きだなあ。「木戸部屋」って相撲部屋みたいな呼び方で可笑しい。2017/10/06
きさらぎ
102
1年間限定で来た研究員は人妻だった。二人の未来は、妹の彼氏の浮気を「一度きりの間違いということで許す」といった時点で予想がつく。それからの二人がカワイイ。すまきとかふわふわドームとか。北海道の夫のことなんか忘れてしまっているかのようだけど、あえて口にしないということはいつも気にしているともいえる。つらい恋愛のはずなのにものすごく楽しそう。どうしようもなく溢れてくる愛しさに泣きたい気分になる夜は、僕の好きな人が哀しまないようによく眠れるように願いを込める。思わせぶりな「○○だけかしら」は使えそう(笑)2016/10/17
takaC
102
何じゃこりゃ!?エンディングに茫然自失…2012/12/01
舟江
82
多分初読みの作家。ストリーは女性院生の不倫妄想物語だった。文字が娯楽に使われるようになって久しいが、ついにここまで来てしまったかという感じである。2017/01/16
風眠
77
主人公の僕が通う大学院にやってきた、ゲスト研究員のめぐ。彼女が既婚者だと知っても、好きになる気持ちは止められない…って、あらすじだけ見るとお決まりのドロドロした不倫モノか…とか思うけれど、あら?ってズッコケちゃうくらいのバカップルの物語。立場とかいろんなこと、ビュンと飛び越えて恋に落ちちゃったのね…何だか『失楽園』の爽やか版みたいな雰囲気が新鮮だった。こういう「二人だけ」的な恋は若さの特権だなとも思う。物語の序盤、坂本のふりした本名「木戸」さんの言葉「この世にはマグレと気まぐれしかない」にしびれた。2013/01/03