内容説明
「あの日まで、僕はこの世に奇跡が存在するなんて信じていなかった」。マンガ家目指して持ち込みを繰り返すもののいっこうにモノにならない僕。ある日突然現れた詩羽という女性に一日デートを申し込まれ、街中を引きずり回される。お金も持たず家もない彼女が、行く先々ですることは、街の人同士を結びつけることだけ。しかし、そこで見たことは、僕の人生を変えるに十分な出来事だったのだ。―幸せを創造する奇跡の人、詩羽とは。
著者等紹介
山本弘[ヤマモトヒロシ]
1956年京都府生まれ。1987年、ゲーム創作集団「グループSNE」の一員となり、作家およびゲームデザイナーとしてデビュー。『時の果てのフェブラリー赤方偏移世界』などのライトノベル作品で人気を博す。2003年、本格SF『神は沈黙せず』を上梓、本格的なエンターテインメントの書き手として注目され、以後も『アイの物語』など、上質の文芸書を発表。また、トンデモ本を研究する「と学会」の会長など、その活動は多岐にわたる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とら
103
気持ちがほわっと擬音そのまま。最後の一言でやられた!山本弘さん、初読みなんですが、本格的なSFを書くということを聞いていたのでそういうのを期待してました。でもこれはSFというか、ただの詩羽によって張り巡らされたネットワーク!歯車!なんてそんな大げさなものでもなく、親切の輪が広がったただの街の物語なんです♪時折出てくる「戦まほ」。読みたい。絶対傑作だ、こんな思いをして作者が書き上げた作品なんだから。色んなものが国によって潰されているという話も出た。物凄い共感。まず自分を変えてからにしろってんだお偉いさん!2012/06/25
takaC
75
エネルギー消耗が激しかった割に、それに見合うだけの充足感は得られなかった。自分の場合はね。所要3.5週間。2014/06/14
な〜や
60
【図書館本】「イヤイヤ、詩羽みたいな人が存在し得るわけない」と思いつつも気がつけば物語の世界に引き込まれていた。叙述に多少のくどさはあるものの、あまり気にならないぐらい。連作短編集となっており、漫画やアニメの表現規制やネットに潜む悪意など身近な問題が物語のあちこちに散りばめられており、ただただ詩羽の「親切」で街が人が変わっていくという明るい理想論だけを語るのではなく、色々と考えさせられる内容となっている。ああ、物事を始めからムリって決めつけちゃいけないなぁ……。2014/08/25
りんご
57
私はもうすっかり著者の山本さんにメロメロなので、すーごく良い本で、たまらない気持ちになりました。人は他人をジャンルに分けてわかったような気になりたい。なんなら物事だって分類しちゃいたい。男ってこういうとこある。この人の描くミステリはこういう感じ。などなど。この本があなたの予測を裏切りますように。ああ、読んでよかったなあ。***ちょっと前に「おぞけが這い上る」って作中で何回か使ってる本を読んで、えらく簡単に怖気走るなあ、と思いました。本作で「怖気が走る」と出てきた時は「コレよ!」と納得しました。2024/04/16
Yuna Ioki☆
56
603-214-1 山本弘作品初読み。アニヲタじゃないのでちょっとついていけない部分はあるの否めない。でも、詩羽のような友人がいたら今より楽しい生活ができそうな気がする(^◇^)何処かに詩羽みたいな人いないかな。2014/07/02
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