七月のクリスマスカード

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  • サイズ B6判/ページ数 468p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784048738538
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

両親の離婚後、母と弟の3人で暮らす小学6年の杉原美緒。無理をしてきた母はアルコールに依存し、入退院を繰り返すようになってしまった。弟とともに母の従妹の薫に引き取られた美緒は、ますます内にこもっていく。そんな折、薫が経営する喫茶店の常連で元検事という初老の男と知り合いになる。美緒は徐々に心を開いていくのだが、彼は過去に娘を誘拐され、その事件は未だ解決されていないことを知る。数年後、成長した美緒は何かに背中を押されたかのように未解決の誘拐事件を探りはじめ、その裏に複雑な人間関係と驚愕の事実が隠されていたことを突き止める―。

著者等紹介

伊岡瞬[イオカシュン]
1960年東京都生まれ。日本大学法学部卒。広告会社勤務。2005年『いつか、虹の向こうへ』で第25回横溝正史ミステリ大賞とテレビ東京賞をW受賞し作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

モルク

93
小6の美緒は、アル中の母、まだ赤ちゃんだった末っ子を殺してしまった弟の充の3人暮らし。父は家出し、既に新しい家庭をもっている。いじめにあい孤立していた美緒は、叔母薫の知人元検事で障害のある永瀬と知り合う。永瀬はかつて娘を誘拐され、その事件は未解決だった。そして大人になった美緒は、永瀬との交流によって強い女性に、そして母を見捨てることなく向かい合える女性となっていく。終盤は永瀬の娘瑠璃の行方と事件を追っていく。そしてそこには悲しい真実が…弟充はどうなったのか。読みたかった文庫「瑠璃の雫」は本作の改題かな?2021/05/11

uririn

31
母親はアル中、父親は昔家を出て行ったきり音信不通という家庭で幼い弟と二人、辛抱強く生きる小学生の少女と、娘を誘拐され、生死も判らぬまま歳老いてしまった元検事が出会い、お互いの心を探りあいながら距離を縮め、近づいた先に突然の悲劇に見舞われて…。二人の出会い、検事の過去、現在の三章からなっていて、誘拐事件の謎に迫る二章から話が突然動きだして惹きつけられて、三章の少女の家庭の過去の事件の真相に唖然。永瀬さん、美緒と出会えて最後に少しは救われたのかな。そして叔母の薫さん、過去のいきさつがあるとはいえ、何と良い人。2017/03/22

もぺっと

25
幼い娘が誘拐され行方不明のままという元検事。そしてアル中の母を持ち、弟が兄弟に殺されたかもしれないという美緒という少女。この二人が出会い交流していく。誘拐事件そして、弟の事件の真相を知りたくて非常に興味深く読み進めた。弟の事件は意外な結末が待っていたが、誘拐に関しては、はっきりとしない点があり消化不良気味だった。もう少し驚くような真実を期待していた。ただ、この本はミステリーを解明するというよりも、元検事の生き様や少女との交流という点に重点が置かれている気がする。美緒に、明るい未来をと願う。2017/02/24

なな

24
一気読み。いい話だった。人との出会いが とても素敵に思える。2019/07/13

jima

20
主人公美緒の子供時代だけで満足。アル中の母。家出し別に家庭を持ってしまった父。弟の充は赤ちゃんの穰を布団に押しつけ殺してしまった。の5人家族。学校でもいじめに遭う美緒。元検事の丈太郎との出会い。充の存在が大きい。2021/01/25

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