内容説明
おまえはいったいなんなんだ?なぜここにいる?長野県安曇野。半年前に失踪した妻の頭蓋骨が見つかり、三井周平は絶望していた。しかし、なぜ、あれほど用心深かった妻が、山で遭難し、しかも現場と思われていた場所から、遙かに離れた場所で発見されたのか?…数日後、沢で写真を撮っていた女性が、一瞬目を離した隙に行方不明になる事件が発生。妻の事故との類似点に気づいた周平が捜索を手伝うことになる。しかし、それは、恐怖の連鎖のきっかけにすぎなかった!人間をあざ笑うように、次々と起こる惨劇。山に潜む、かつてない凶悪なモンスターとは―。
著者等紹介
北林一光[キタバヤシイッコウ]
1961年長野県生まれ。87年より映画宣伝会社のプロデューサー。在職中に「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」の立ち上げに参加。98年退社。長野県に戻り、執筆活動に入る。2000年、「瞑れる山」で第7回日本ホラー小説大賞最終候補、05年、『ファントム・ピークス』(応募時のタイトル「幻の山」)で第12回松本清張賞最終候補となり、選考委員・宮部みゆき氏に絶賛されるものの受賞を逃す。その後次回作を書き進めるさなか、癌を発症。06年11月、享年45歳で他界(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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miyumiyu
69
怖かった…。クマ怖い!パニックシーンは凍りついた。一気に読んでしまった。結局愚かなのは人間。クマも可哀想だった。しかしながら、ホラーとは違ってリアリティがある分、戦慄の恐怖。あ〜怖かった!2016/03/23
クリママ
48
このような内容の作品では、他にも強烈な印象のものがあるので、若干の物足りなさも感じるところもあるが、どうしようもないイヤな奴の登場もなく、先を急ぎたいスムーズな展開で、読みやすい作品だった。ただ、題名からは、ホラーかSFがかったミステリーかと思っていたので、ちょっと当てが外れた感も。2020/10/25
禅
33
大好きなクマもの。北アルプスの山で女性が遺留品を残し失踪した。遭難事故なので事件なのか。迫り来るヒグマの恐怖は吉村昭さんの羆嵐を彷彿させる。最期のページでタイトルのファントム・ピークスを理解した。ページをめくる手が止まらない面白さだった。2019/01/23
コージー
31
舞台は私の住む町から車で30分程の安曇野。知ってる地名ばかり出てきて、内容もちょっとホラーっぽくて、一日で読み通してしまった。初読みの北林さんも長野県出身なので、他のもたくさん読みたいと思いましたが、もう亡くなっているなんて残念でなりません。2015/03/01
達ちゃん
30
ミステリーかと思って読んだらちょっと違いましたが、すごくハラハラドキドキで面白かったです。ヒグマ、怖っ。2021/10/02