内容説明
世界には、特別な人とそうじゃない人がいる。特別な人だけが輝いて、愛されて、記憶される。でも、そうじゃない人は…?郊外のマンションに暮らす主婦が覗いたウェブサイト。そこに掲載されていた写真の中のミニチュアの女性は、自分とそっくりの顔をしていた。これは偶然?それとも…。密かに売買されるその人間もどきを巡り、切なく危うい物語が始まる。
著者等紹介
ほしおさなえ[ホシオサナエ]
1995年、群像新人文学賞小説部門優秀作でデビュー。大下さなえの名で詩集『夢網』(思潮社)、『くらげそっくり』(青林工藝舎)。2002年『ヘビイチゴ・サナトリウム』が第十二回鮎川哲也賞最終候補作となり、03年に刊行される。その他の著書に『天の前庭』(東京創元社)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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おれんじぺこ♪(15年生)
22
ほしおさなえさんの未読本だ!と借りてみたけど、これは気持ち悪い系だった。なんとも言えない不気味な感じ。(わたしの知る限り)現実的ではないなぁ、三崎亜記作品にも少し似てるなぁ、と思いつつ読み始めたけど、気持ち悪さだけが残った(笑)。2019/03/26
kai_sou@十五夜読書会
14
なんだろう、非常にぞわぞわする作品でした。モドキの増殖シーンは身体の中に何かが這っているような感覚に囚われて鳥肌が。モドキが喋っているシーンもシュールで。文体は至って普通なのに、登場人物達がどこか歪んでいる。そんな中でもどこか理解出来てしまう部分もあって、不思議な読感を覚える作品でした。2014/07/29
Norico
13
生えてくるヒトモドキ。パニック小説とか、ホラーとかになりそうだけど、モドキが小さいからか、怖さはあまり感じなかった。色んな視点で物語がすすむので、それぞれの語り手が誰なのか、登場人物がどう絡んでいるのかがドキドキした。終わり方がすっきりではなかった。2020/02/09
chi.
10
いくつかの視点から物語が進んでいくので最初は読みにくかったけれど、じわじわと世界に引き込まれていった。モドキが増殖して、もうこの世界にはモドキしかいないのかも・・・と考えるとぞわっとする。2019/02/11
Maki Uechi
6
ゾワゾワする~。面白かった★★★★☆2015/01/27