内容説明
上海から帰国したのも束の間、万年は赤紙を受け取った。三十歳過ぎての召集令状。上海時代に衝突した武器商人、児島の差し金に違いなかった。五年間、兵隊として中国大陸を彷徨し復員。東京は焼け野原と化し、万年の古巣・新宿では、闇市の権益を巡って組同士が対立、さらにアジア系外国人グループが跳染跋扈していた。闇市の用心棒としてヤクザの仲裁役を請け負う万年の許には、一筋縄ではいかない相談事が次々に舞い込む。渋谷、新宿の抗争事件、拝謁拒否事件、東宝争議、共産党員監禁事件。さらに宿敵・児島が執拗に万年の命を狙っていた。血沸き肉躍る、アウトロー・ロマンの傑作。
感想・レビュー
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tom
3
こういう世界も,こういう人もあるのだろうなという話。新宿の愚連隊のボスの波乱に満ちた半生。モデルは誰なのか,本当にモデルはいるのかしらなどと思ってします。脇役は実在の人たちだからなあ。2011/01/10
姉勤
1
下巻の舞台は戦後の東京。混乱期の闇市の縄張り争い、労働争議、児島(明らかに児玉誉士夫がモデル)一党との抗争を経て、復興していく新宿で旧知の北朝鮮に渉った金天海からの手紙を受け取る。立場は違っても祖国が換わっていく失望を共感した万年は...虚実ミックスした物語の意外な終焉。著者本人を擬した人物との後日談も読んでみたいところ。2012/04/12
マンチーピカソ@沖縄爬虫類
0
★★★★★
siroutak
0
戦前戦後の日本版ダイハード。この生命力は圧倒的です。2013/05/07
radio_hirotada
0
今さらアウトローに憧れるつもりもないのだけど、彼らには時代を乗り越えるパワーが感じられて、こんなご時世だからちょっと参考に・・・・なるかはわからないけれど、最近読む本は偏り気味。 http://donnadonnadoughnut.blog73.fc2.com/blog-entry-468.html2011/01/04