内容説明
昭和十三年、社会大衆党党首、安部磯雄を襲撃した万年東一は、右翼からもヤクザからも神格化され、一躍、時の人になった。金はいくらでも融通がきき、言い寄ってくる女も後を絶たない。だが、万年はそれだけでは満足しなかった。時局は逼迫し、華中、華北での戦闘は泥沼化の一途を辿っていた。そのうち国をあげての戦争になるだろう。俺はこの先、どうやって生きてゆくか…。そんな折、万年は、華僑の貿易商から、ある情報を掴み、海を渡る決意をする。向かう先は、欲望と虚飾と権謀術数に満ちた魔都・上海。“愚連隊の神様”万年東一が大陸のならず者どもと命を賭けて渡り合う。著者初の長編小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
姉勤
15
上巻の舞台は、主に日米開戦前の上海。外に向かって日本が一番飽和した時代。人びとが今の数倍活性化した時代にあって、群を抜いた生命力を持った主人公、万年東一が生き馬の目を抜く異国の街で自由に生きていく。暴力と放蕩に塗れながらも、その生き方は爽やかであり痛快である。男子斯く在るべし。2012/04/07
tom
2
元祖愚連隊のいなせな男の物語。日本を飛び出して上海に行き,児島機関のボスを蹴飛ばして,日本に帰ってきた。そして,赤紙をもらったという所までが上巻。これからどうなりますか。波瀾万丈の男の生き方という物語。2010/12/30
SU
1
痛快です2016/01/14
ma-no
1
とくに上巻が傑作。ピカレスクロマン。2007/01/05
マンチーピカソ@沖縄爬虫類
0
★★★★★