内容説明
危機、激戦、奇策、圧勝。「壬申の乱」がこれほど精密にリアルに描かれたことはかつてなかった―。乱に勝利をおさめた大海人皇子(天武天皇)は、ただちに理想の国家建設にむけて巨歩をふみだす。「大化改新」以来のその路線をひきつぎ、完成させたのが、律令国家最高の政治家、藤原不比等だった。「古代からの伝言」シリーズ堂々完結。
著者等紹介
八木荘司[ヤギソウジ]
1939年、兵庫県生まれ。京都大学文学部卒業。1963年、産経新聞社入社。大阪本社編集局社会部長、同編集長、東京本社論説委員長を経て、現在、編集特別委員。作品に『ソウルに消ゆ』(第五回日本推理サスペンス大賞、新潮社)などがある
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感想・レビュー
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iwazer
1
タイトル通り壬申の乱です。絶体絶命のピンチだった大海人皇子がどういう風に立ち回って皇位継承に至るのか。 大海人皇子のもとに人材がどんどん集まってくる。これが大王の器というものか。 中心となって描かれる人物がいなくて、シリーズの中ではもう一つという印象でした。大海人皇子をもっと描いて欲しかった気がするが、次の皇位についてからなのかな。2008/07/23
ヘムレンしば
1
4巻あるシリーズの最終巻で、この巻は壬申の乱から平城京遷都までとなります。まだ武士が誕生していない時代の戦というものが興味深かったです。武器や兵士、将の優劣があまり無くて、事前準備や手配が勝敗の分かれ目になる。なんだか現代戦にも似た描写でした。それから始まる天皇を中心とした新しい中央集権国家の樹立。若く優秀な若者達が新しい国家造りに邁進していく様は、明治維新後の近代国家造りにも似てました。多くの優秀な先人達によって、今の日本が成り立っているんだよなぁと実感。これは改めて1巻から全巻読破したい。2015/01/08