内容説明
昭和16年12月8日、貧しい東洋の島国が明治維新以来の辛苦に耐え、営々として築き上げた世界第三位の海軍力は、その持てる力を遺憾なく発揮して米国太平洋艦隊を撃滅した。この日、日本海軍は歴史の頂点を極めたのである。だが、それからわずか4年の後、日本人の誇りでもあった海軍が完全に消滅してしまうとは、誰が想像し得たであろう。山本五十六連合艦隊司令長官と、身分を隠し諜報員として活動した実在の予備役海軍中尉―非情な歴史の転換点に立ち会った二人の海軍軍人の姿に、壮絶な近代日本の宿命を重ねて描く長編。
著者等紹介
池上司[イケガミツカサ]
昭和34年、東京生まれ。明治大学文学部を卒業後、広告代理店にコピーライターとして勤務。その後、作家を志して独立。処女作『雷撃深度一九・五』(文春文庫)で注目される
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感想・レビュー
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koba
29
★★★☆☆2019/03/27
おふねやぎっちらこ
1
前の作品のほうが面白かった。真珠湾奇襲映画でも見た知ってるよって感じ。2002/06/19
ゆき
0
★★★☆☆:連合艦隊司令長官となった山本五十六と、ホノルルで諜報活動をする外交官本間を中心に、真珠湾攻撃に至るまでの過程が描かれている。政治的な駆け引きだったり、貧苦に耐える国民の希望だったり、外国からの圧力だったりでがんじがらめになり、勝てないとわかっていて始める戦争を押しとどめられなくなっていく山本五十六の苦悩がひしひしと伝わってきた。また本間がFBIの目をかいくぐって諜報活動をしたり臨場感溢れる戦闘の様子も手に汗を握った。2014/01/30