内容説明
廃業が決まった取り壊し直前の民宿、南の島の極楽めいたリゾートホテル、冬の温泉旅館、東京都心の豪華なシティホテル…。様々な“宿”で起こる難解な事件に、臨床犯罪学者・火村英生と推理作家・有栖川有栖が挑む、本格ミステリ作品集。
著者等紹介
有栖川有栖[アリスガワアリス]
1959年大阪府生まれ。同志社大学法学部卒。89年『月光ゲーム』で作家デビュー。書店勤務を続けながら創作活動を行う。94年作家専業となる。2000年本格ミステリ作家クラブを設立。現在、本格ミステリ作家クラブ会長
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Aya Murakami
90
怪しい店のあとがきに紹介されて図書館で借りた本 作者さんは洋楽好きなのでしょうか?ホテルカリフォルニアとかいろいろ洋楽をたしなんでいるようで何か所か洋楽の歌詞がモチーフとして使われていました。ホテルラフレシアのエピソードがその一つですね。 なんとなく居心地がよくて竜宮城にやってきた浦島太郎のように客が居ついてしまうホテルラフレシア…。リピーターの多い人気宿って明るい話題だけでなく魔性の力も秘めているのでしょうか?特に心の弱った人間は格好の獲物になるようですね。2019/10/03
みも
69
著者初読み。軽妙なタッチが活かされた「謎解き好きの、謎解き好きによる、謎解き好きの為の」本ですね。殺人事件が起きても状況描写が淡泊で良い意味で真実味が薄い。登場人物も二次元的で肉感に乏しく、様々な事象に深刻さがない。その為ゲーム感覚で推理を楽しめる。いわゆる本格ミステリ好きには堪らないであろう。鉄ちゃんには垂涎の的だったりするものが、鉄道に興味のない僕には「猫に小判」という感じに似ている。収録作品は「暗い旅」「ホテル・ラフレシア」「201号室の災厄」各篇約60頁「異形の客」のみ90頁の4篇。各篇首尾よし。2019/01/27
まる
61
宿縛りの短編集、面白かったです。あとがきにもあったとおり、これまでに行った宿を思い出し、あそこでももしやこんな事件が…など妄想を繰り広げてしまいました(笑)印象に残ったのは「ホテル・ラフレシア」。ラストの後味の悪さもさることながら、完璧な従業員たち、褒め称える周囲の人、楽園のような環境というホテル・ラフレシアそのものの気持ち悪さがしばらく忘れられそうにありません。ホテル・カリフォルニアを知らないのですが、聞いてみたくなりました。「201号室の災厄」の意外な犯人にも驚かされました。2016/01/28
はな
35
作家アリスシリーズ10作目にして、宿シリーズ第一弾となるらしい。今後も続いてるのかしら。火村先生とアリスの仲良し二人旅かと思ったらそうでもなかった笑。『異形の客』と『201号室の災厄』はドラマで視聴済みではあったが、問題なく楽しめた。「自首するんじゃないよ」と冷静に言い放つ火村先生がかっこいい!『201~』はドラマでは冒頭のちょっとした事件として扱われてたけど、ドラマとは少し違って原作の方が好み。唯一火村先生とアリス(編集者つき)が共に泊まった『ホテル・ラフレシア』も良かった。ミステリーナイト楽しそう!2019/08/08
Yuna Ioki☆
30
火村先生シリーズは短篇集が多いのだろうか?短篇集にしては面白いとは思うが長編好きの私には物足りない気もする。(京極堂シリーズの分厚い本くらいからやっと長編と認識w)さて、次も短篇集の絶叫城殺人事件読みます〜。もうしばらく有栖川有栖作品続きます。2014/01/07
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