内容説明
「二人で一つの命じゃろうが。」生き残った元・特攻隊員・山岡秀治。朝鮮半島出身の特攻で死んだ金山少尉の許嫁だった、山岡の妻・知子。戦争、友情、愛情…。幾つもの傷を心に負った一組の夫婦が辿った半世紀にもおよぶ愛と悲しみ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちな
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朗読教室の課題だったので、初めて竹山洋さんの作品を読みました。祖父を思い出しました。「儂」という一人称。そしてハーモニカ。祖父は生き残り、今の日本の土台を造り上げてくれました。作中流れる唱歌は祖父がよくハーモニカで吹いていました。 そして彼の最期の言葉は「自分は生きるのが申し訳なかった。でも一生懸命生きた。だからあなたたちも一生懸命生きてください。」 だったそうです。この作品に出会えって感謝します。2013/05/31
まさ
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健さんがハーモニカを吹いている表紙が目に入り、気軽に本を手に取りましたが、読んでいる最中も読後も、心に重くのしかかるような、ひっかかるような後味だった。 特攻隊で突撃する本人も悲しいし、残された人も思いを背負って生きていく。どんな大義名分で戦争をしたとしても、そこに巻き込まれた人たちはその後の人生を大きく変えられてしまうんだなぁ、と改めて思いました。今度映画もDVDレンタルしてみてみようかな。2013/03/28