内容説明
車夫になった満人作家。阿片天国だった大陸の怪しげな兵団から貰った馬占山の任官証。さてはレーニンに会った男とシンガポールの地獄を見てきた印度人。敗戦の露天市にへんぽんとひるがえる紅い腰巻の旗。ゾルゲの片腕だったノモンハンの外人記者。戦傷で隻手となった川柳人と、赤紙結婚の哀妻を中心に織り成す没法子街の人間曼陀羅地獄絵図。五〇年の歳月を超えて活き活きと描く人間と時代のドキュメント。
目次
駱駝祥子になった男
八月十五日の北京
洛陽戦線の白馬
露天市の赤い旗
老銭局胡同の人々
蒋介石戦勝布告(一部要約)
醜虜の群と紅い花
大行山脈のメロディ
光復北京は百鬼夜行
サンチョくらぶの詩人
赤い招かざる客
モジリアニの絵の女
阿片天国だった大陸
第一次退去命令下る
討匪行の歌と東天紅〔ほか〕



