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おしろい蝶々

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  • サイズ B6判/ページ数 246p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784048732895
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

優しい者ほど、人として生きるのは難しい。手に入らない人を思うて、儚い異形に身を落とすその瞳に映るは夢か現か―ホラーの名手が贈る美しくも哀しい怪奇幻想譚。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

真理そら

64
表題作で登場する清らかで妖しく官能的な少年の白い手。蛇が嫌いな人はダメかもしれないけれど幻想的な「夜の孔雀」。平家の公達と思われる主従が宮様を海から救ったために美しいばかりではなくなってしまった「琅玕物語」は主従が追い詰められていく、幼子のような「三郎、痛い」が哀しい。「闇月夜」は蝉丸モノなので文句なしに好きだ。「花影」は弟の妻と不義をしている兄が本当に好きだったのは誰かを考えると妖しく哀れだ。「亡春」は廃仏毀釈から幕末を見た珍しい作品。2021/11/11

カナン

44
ひたすらに艶やかで、魂の底から溢れ出す烈しさをも秘めた耽美的な純愛を、集めて束ねて紫色のリボンで化粧して、そう…と差し出されたようなこの一冊。白粉を塗った少年のしなやかで細く美しい手。菩薩の無限の愛を湛えた眼差しと冷たく滑らかな爪先の形の良さ。憎らしい程に才に溢れた義弟の、牡丹の花粉に汚れて誘う花唇。傷ついて尚透き通るほど愛おしい、忠誠を誓った我が君との果て無き山夜行。仄暗い眩惑の世界に捕らわれたまま、帰り道を見失っていく麗しく業深き六つの短編集。CLAMPの挿絵が世界観と合っていないのが唯一残念な部分。2014/07/28

なつ

42
いにしえの時代を思わせる、和風なホラー短編集。古典的で艶のある文体が背徳的な物語をより引き立て、どっぷり酔いしれることができます。どの物語も切なく、人間の狂気、世の無情さがひしひしと胸をえぐる。残酷に翻弄される少年、青年はどこか美しい。耽美が極まった一冊。強い主従愛がある「琅玕物語」が特に好きです。2021/08/03

アイシャ

34
美しい日本画を眺めているような流れるような文体。詩のような独特な世界。6編とも少し怖く、美しい。普段読まないタイプの物語なので、少し戸惑いました。同時に作者の文体へのこだわりや、美意識、強い個性を感じました。『琅玕物語(ろうかん)物語』の主を守りたい気持ちが強すぎて、鬼になって行く従者の話が印象に残りました。2021/12/04

柊渚

30
まるで死んだ蝶々。私に殺された、美しく無残な蝶々。ひらひらと暗闇に白く浮かび上がる少年の手に誘われ、ひと足ごとに夢の世界に囚われていく。歪んだ恋が成就するとき朱色の血は流れ、目の前が奇妙に滲んだ。視界に残るのは、美しすぎる少年の片手の虚像ばかり。耽美を極めた六篇からなる至極の怪奇幻想譚。妖しく艶やかで、哀切をともなう物語たち。いずれも狂気やほの暗さを孕み、あまりの美しさに吐いた溜息もまた闇に滲んでいく。これは好きが過ぎました…完全に性癖小説…😮‍💨 装丁や挿絵がCLAMP先生なのも刺さります……悶絶2022/03/22

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