内容説明
人質は「嗅覚」と「臭覚」だ。犯罪までもがバーチャルになる現代社会の盲点を完膚なきまでに突いたブレンダー誘拐事件。企業がシステム化し、コンピューターによる制御がすみずみまで行き渡り、人間の五感などもはや企業にとっては意味をもたないものとされているのだ。そして完全犯罪は完成する。犯人グループの非バーチャルな感性が勝ち誇る。しかし事件は意外な第二幕へ突入する。「現代社会の盲点を完膚なきまでに突いた事件」書き下ろし・現金強奪・エンタテインメント。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
オオイ
3
大手ウイスキーメーカーのブレンダーを誘拐 ? 身代金を要求、それなりに読めるも話が長い。2021/12/10
鬼山とんぼ
1
構想や取材には相当エネルギーが掛かっただろうが、大風呂敷の詐欺事件に定番のキャラクター(人間的な深みやシンパシーを感じさせない)をあまりに多く配置したため、リアリティーが希薄になって読み進むのに苦労する残念な作品になってしまった。文体にも問題がある。筆者の名誉のため、先に読んでしまった最近の作品では上記の欠点がなくなり、大幅に進歩しているのを付け加えておく。2016/03/20