内容説明
華麗なる論理パズルの誕生。同期会が催された山荘で3日3晩に3人のメンバーが絞殺された。俳優の桜木も会に参加していたが、なぜか、その間の記憶を失っていた。ただひとつ、誰かの首をロープで絞めた生々しい感触を除いては…。トリック&ロジックの新本格派が、新たに叩きつける「読者への挑戦状」。書き下ろし長編ミステリ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
そうたそ
36
★★★☆☆ とにかくまあ、ドがつくほど寡作な依井さんの傑作ミステリ。現時点でこの作品が最新作というのだから、寡作なのか創作意欲がなくなったのかどちらだろうと疑ってしまうほど。本作は内容としてはストレートな本格ミステリ。だがストーリーに関して言えば凡作。トリックに関して言えば傑作。そんな風な作品である。トリックだけ取り上げるとすごい作品だし、そもそもトリックの優れたミステリにストーリー性は必要かというのも人それぞれだろう。いずれにせよ、埋もれてしまうには勿体ない作品であることは確かだと思う。2016/05/26
マヌヌ2号
5
ふえーこれヤバいですね。ぼくはアレがナニしていることにすら気づかなかった(違和感を覚える場面はそこそこあったけど)ボンクラなんですが、そんな奴にも分かるくらいの超絶離れ業をポンポンやっているのホントどういうことなんですか……。アレがナニすることでソレがチョメチョメしたりしたり、アレのナニに付随して既出の「条件」が形だけそのままに意味合いをガラリと変えたり、大小入り混じった尋常でない量の伏線が回収されたりと、ものすごいことを並列してたくさんやってるので、解決編は読んでてクラクラしました。ようやるわこんなん2017/12/11
不璽王
4
事件の手がかりとなる違和感が、全く隠蔽されていないどころか文章から浮き上がって見える。にも関わらず、真相が異形過ぎて看破することは難しい2011/11/27
もぐもぐチョビたん
3
これはっ(・д・)ノ賛否わかれそう(笑)私は好きだなぁ。シンプルなパズラーかと思いきや作中作の問題編を読んで推理するのは面白い(=^ェ^=)タネがわかると違和感が氷解して感動した。ただこのトリックで挑戦状付けるのは厳しいかなぁ。あとタイトルの夜想曲もあんまり関係なかった気がする(>_<)この犯人じゃなかったら☆5だったかな(=^ェ^=)2014/09/11
ジャム
3
俳優の桜木和己は自らの手に残る感触から自分が人を絞め殺したのではないかと疑っていた。そんな和己のもとに届けられた一つの小説は、彼が記憶を失っていた間に起きた不可解な連続絞殺事件だったのだ! これは、第3章を読み終わった時激しい違和感を感じてある一つの推論が浮かんだんですが、それが意味するところがわからず真相を読んでみたら「ああ、結構惜しいとこまで見当つけてたのにもう一つ詰めが甘かった!」と悔しい思いをしました(笑)「偽の真実と本当の真実の論証が実は同じ」というある一つのネタを軸とした隠れた新本格の傑作!2013/05/24