内容説明
坂口安吾の『夜長姫と耳男』が、ノスタルジーを感じさせる美しい作品で大きな話題を呼んでいるイラストレーター・夜汽車によって、鮮やかに現代リミックス。人気シリーズ「乙女の本棚」の第12弾が登場。小説としても画集としても楽しめる魅惑の1冊。
著者等紹介
坂口安吾[サカグチアンゴ]
明治39年(1906年)新潟県生まれ。東洋大学文学部印度哲学倫理学科卒。アテネ・フランセにも通う。1955年死去。代表作に『堕落論』、「白痴」、「桜の森の満開の下」などがある
夜汽車[ヨギシャ]
イラストレーター。少女を描くことと19世紀末の挿絵画家を好む。懐かしいような落ちついた雰囲気のイラストを目標に制作している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
81
乙女の本棚シリーズ。坂口安吾の性癖か…美しい少女が男を惑わし残虐な仕打ちをする。▽長者の一人娘のヒメのために仏を彫るよう命じられた耳男。上手くできたら褒美にやるといわれた機織り娘エナコに耳を削ぎ落とされる。耳男は恨みを込めて、蛇の生き血をすすりながらバケモノを彫り上げる。村に疫病が蔓延し多くの死者がでるのを、ヒメは嬉しそうに眺めていた▽耽美系2021/06/19
J D
65
うーん、響かなかった。夜長姫の救いようのない残酷さ。一度読んだだけでは、理解というか馴染む感じを得ることはできなかった。自分の理解力のなさが哀しくなる。機会があればまた読んでみたいとは思えた。2024/12/09
寂しがり屋の狼さん
61
【乙女の本棚】シリーズ11冊目📚️師匠の推薦で夜長姫の仏像を彫ることになった耳男。故郷を離れ姫の住む村へ向かった彼を待っていたのは残酷で妖しい日々…シリーズの中でも読み応えがあり挿絵も素敵💓『夜汽車』さん描く少女は可愛いけれど妖艷で物語を引き立てるもの(≧∇≦)同シリーズの中でも上位の作品(私見)です(*^.^*)2019/12/23
ちえ
50
最初、ちょっと長いな…と思ったけれど一気読みだった。「好きなものは呪うか殺すか争うかしなければならないのよ」流石に坂口安吾、とは言ってもそれほど読んでいないけれど。『桜の森の満開の下』よりなお妖しく恐ろしい。どちらも狂気だが、こちらの方が虫唾が走りながら、見たくない…それなのに惹きつけられる。語りが全て耳男というのも効いている。イラストは『桜の森の…』もそうなんだけれど、男が美し過ぎる…。そこだけが残念。2021/10/31
@com
49
無邪気とはヒメの様な事なのか… 切ない儚い お話だった…2020/02/03