内容説明
中国の闇組織で「青龍」と呼ばれる処刑人、彼の手した古いオルゴールがゆっくりと動きを止めるとき、瀕死の標的にも確実な死が…。両眼に鉛筆を突き立てられた人民解放軍の高官、舌を引き抜かれ喉に詰め込まれた民営企業の成功者。上海で発見された血塗れの死体にはいずれも「牛鬼蛇神」と記された紙の三角帽がかぶせられていた。青龍はさらに神戸でも中国人学者を血祭りにあげ、日韓混血の刑事・海道の縄張りである横浜・中華街に姿を見せる。職業的暗殺者を逸脱した青龍の動きを追う海道は、いつしか彼に、自分と似た臭いを感じ始めるのだが。