内容説明
掌中の珠の如き愛する古典を、身近な文学作品としてとらえ、魅力のすべてを明かす。長谷川青澄画伯の清麗な挿画多数が入った、絢爛の古典案内。
目次
虚無のつぶやき―一葉『十三夜』
むかしの歌声
しがねえ恋の情けが仇―歌舞伎台本『与話情浮名横櫛』
夢みる花々の物語―吉屋信子『花物語』
夫婦は寄り合い過ぎ―西鶴『万の文反古』
美の金粉―西条八十詩集
小宰相入水―『平家物語』
よその女房―『武玉川』
お江戸の桃太郎―黄表紙の世界
おかしみにゆらぐ玉の緒―江戸狂歌
牡丹を焚く―吉川英治『宮本武蔵』
揺れる牡丹燈籠―『伽婢子』
可憐な心ばせ人―『源氏物語』花散里
金襴緞子の帯しめながら―蕗谷虹児の叙情詩
美しき女友だち―『紫式部日記』
卯の花ぐるま―清少納言『枕草子』
白露も夢もこの世もまぼろしも―『和泉式部日記』
犬女房―怪談集『宿直草』
春やむかしの―堤千代『伊勢のいえ』
更級少女も早や老いぬ―『更級日記』
枇杷の古葉に木芽もえたつ―芭蕉の連句