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内容説明
ずっと妹と二人で生きてきた結城佳帆は、ある日、図書館の司書、舞原葵依に恋をする。真っ直ぐな心で、彼への想いを育んでいく佳帆だったが、葵依には四年前に失踪した最愛の妻がいた。葵依の痛みを知った佳帆は自らの想いを噛み殺し、彼の幸せだけを願う。届かなくても、叶わなくても、想うことは出来る。穏やかな日々の中で彼の再生を願う佳帆だったが、彼女自身にも抱えきれない哀しい秘密があって…。喪失と再生を描く『雪』の青春恋愛ミステリー。
著者等紹介
綾崎隼[アヤサキシュン]
1981年如月生まれ。新潟市在住の兼業作家。第16回電撃小説大賞『選考委員奨励賞』を受賞し、「雨」をモチーフにした『蒼空時雨』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とら
114
”あの衝撃がまた再び!”…何かの宣伝の様に始めてみたけれど、この続きは特に無いです。一・二作目で続け様に放たれた『一冊にたった一回の下手なミステリーをも凌駕する衝撃』が三作目で途切れてしまい、その衝撃が無い花鳥風月シリーズとは一体何を見所にして読めばいいのか…と先行きが不安でしたが、また戻って来た衝撃。でその衝撃の放たれた位置が今回の問題で、今回はそれが物語の核心なのだ。よってほぼ終盤。でも一・二作目は序盤に放たれている。だからそのつらさが後を引くと言うか…だから最終的な読後感が、結構重たいモノとなる…→2014/04/03
❁かな❁
114
大好きな綾崎隼さんの作品を読むのは5作目。花鳥風月シリーズ第4弾です。またまためちゃくちゃ泣かされてしまいました(/ _ ; )最初は可愛い片想いのお話として楽しんでたのですが、やはり綾崎さん、一筋縄ではいかないです。またまんまとやられてしまいました。第4話からは涙がいっぱい出て最終話もたまりませんでした(;_;)終わり方も良かったです!葵依の言葉使いは好みではなかったのですが天然で不器用で可愛く思えてきました♪花鳥風月シリーズは『永遠虹路』以外の4作読んだのですが、この『吐息雪色』とても良かったです★2013/10/06
さばかん
98
真奈の手紙の場面で涙腺が崩壊した。個人的にシリーズ通しての最高傑作である。本当に切実に誠実に信実に良いと感じた作品に対しては何も言えなくなってしまう事を実感した。 これは恋愛物語というよりは、家族、姉妹を描いた物語でしょうか。わたくしは“家族”をテーマにした物語に弱いです。それは私が育った環境の影響に因るものですが。この作品はとても優しい物語です。他に言葉が見つからず、もどかしいです。2012/08/19
優愛
97
妹は甘えん坊すぎるくらいだったけど正直すぎるところも頑固なところも愛らしくて。でもご飯を美味しそうに食べた後に見せる笑顔は思い出す度悲しくて。「葵依に会ってみたい」「真奈に会ってみたい」それはきっと重い荷物を背負って生きてきた二人の心が解けた瞬間なんだろうな。愛をあげるはずだった一番大切なものは無くなってしまったけれど、温もりや優しさを互いに与えられる、そんな存在であってほしい。どうか想い合えた二人がこれからもずっと共に歩んでいけますように。2013/12/28
りゅう☆
94
妹真奈と暮らす佳帆。だが真奈はずっと引きこもりの生活。一番大切な存在だからこそ普通の暮らしができるように願うも、可愛すぎてつい真奈を甘えさせてしまう。そんなある日佳帆は図書館長の舞原葵依に一目惚れする。彼には妻がいるが4年前に消えた。もう生きていないかもしれない。葵依に好きになってもらうより、葵依の幸せを願う佳帆。もう恋愛はしないと決めてたのに、どうしようもないこの溢れる想い。そして姉を盗られたくない妹の嫉妬ぶりが可愛い。葵依も真奈も少しずつ現実を見始め、初めてお互いを紹介する日が来たが…。佳帆の抱える→2020/08/30
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