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内容説明
あの感動から、およそ1年―。史上最強の残念ヒロインが帰ってきた!!死んでしまったはずの美少女・夢前光の人格が、なぜか1日おきにコワモテ男子・坂本秋月を乗っ取るという奇妙な二心同体生活。ハリケーン級の事件を巻き起こす光に振り回されつつも、徐々に惹かれていった秋月。だが出会いから1年後、彼女はこの言葉を残して、世界から永遠にいなくなってしまった…。「笑って。泣かないで、坂本くん。それが、わたしの最後の願いだから」しかし!ただでは死なないハチャメチャ少女の光は、あたたかくも切ないサプライズをみんなに用意していて―。ほんの少し綴られるロスタイムの物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
66
この世からいなくなってしまった光が1年半後クリスマスに再び現れるシリーズの番外編。相変わらずなハイテンションから始まる本作は妹・雪瑚が大活躍。クリスマスやバレンタインなどの別視点展開があったり、千秋と隼人の物語があったり、疎遠になりかけていた登場人物たちが再び一堂に会するよう光が仕込んでいたりと、シリーズらしさが最後までよく出ていました。悲しい別れを避けられない切ない展開でも、こんな風に終わらせることができる手腕は素晴らしいです。あとがき読む限りだとちょっと時間掛かりそうですが、次作も楽しみにしています。2015/01/16
ツバサ
48
ギャグからシリアスへの移り変わりが凄い。この作品の魅力の一つかもしれない。光が馬鹿やってる話だったのが千秋と隼人の話で一気にシリアスになって、最後にいつもはギャグかましてる光のシリアスな話で終わる。良い終わり方でした。ただ霞と美紗貴の扱いが雑で笑った。もう少しマシな扱いは無かったのか。このシリーズはこれで終わりだが新しい作品も注目したい。次回作は企画段階らしいが気長に待ってます。2015/02/21
アウル
48
新作が出るかと思ったが出たのは短編集かいwいい感じで終わっていただけに今回が蛇足になるかもと心配したけど杞憂だった。前半は安定の夢前光による暴走により秋月が被害を被るドタバタコメディ。中盤は千秋と隼人の出会いと別れの話。と言うかこの辺からすでに泣きそうになりつつ最後の話へ。夢前光の案により1年半後のクリスマスイブで皆が一堂に集合する。夢前光が本当は忘れ去られる事を怖がっており、自分を思い出して欲しい為に企画したと知った時にガチ泣きしてしまった。新作も頑張って欲しいし、またこのコンビで出して欲しいな。2014/11/12
中性色
46
ほんの少しのロスタイム。てなわけで短編集。空白の期間に加えて、そのときあのキャラは何をしていたのかという感じで半々。基本秋月視点でしか書かれないので、こういうのは新鮮でもあるし、この作品的にそういうのはこういう巻でしか出来ないことだよなぁ。しかし雪湖の各ヒロイン評がいろいろと笑える。いつものようにコメディとシリアスの反復だけど、コメディ部分は短編でいいからって感じなのでいつも以上にぶっ飛んでいる。僕のチョコバナナをお食べには吹いた。個人的には霞ちゃんが好み。2015/12/25
あなほりふくろう
46
久しぶりの夢前光はやっぱりおバカ可愛くて。洒落にならないレベルで襲い来るイタズラの連続に大笑いをしながらも、結末を知ってる身としてはやっぱり少し切ないとか寂しい思いも入り混じって。そんな複雑な思いに心地よさを覚えながらの「雪湖サンタ」がまた素敵で、「生き返る」ってこういうことでいいんだよねと膝を打ち、エピローグを読み終えてしんみりと、でも爽やかな余韻に浸って。しっかりしたシリアスがベースにあるからコメディが光る、そして締めは綺麗に。そんな作品でした。傑作。2014/11/09