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内容説明
君は堕落したいかい?自分の意志なんて面倒なものを投げ捨てて、だらしない世俗に流されて安易な満足に耽りたいかな?先に待つのは愚鈍さだと感じつつも、ずぶずぶと暗い情熱に溶け込んでしまいたい?その湿った衝動こそデカダント・ブラック。そいつが危険か、このぼくブギーポップにも今ひとつ掴みきれなくて―二人のストーカーがお互いの監視対象を交換し、より陰に潜むと選択したことが奇妙な運命を呼ぶ。世界の命運を決する死神に取って代わろうという怪異な欲望が、関わった少女たちの心を汚染していく。事態を解決しようとする風紀委員長の新刻敬も、否応なくそのどす黒い退廃に引きずり込まれていく。あげくの果てに彼女が選択するのは容赦なき断罪か、それとも共倒れの崩壊か―?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
眠る山猫屋
40
寝かせちゃいました。しかし読み始めてビックリ!!まさかの歪曲王が!!そして新刻敬や宮下藤花を巡る新しい登場人物たちは、揃いも揃って変態やストーカーさんたちばかり。ブギーポップを狙う強敵は、もはや離脱者多数でボロボロな統和機構ではなくて、統和機構すら対等以下の敵と見なす能力者たち。デカダントブラックはさておき、予知能力がブギーポップの敵ですらないのは、パンドラで“世界の敵”とされなかった事で実証済み。倒せそうで倒せないブギーポップって、敵側からみたらやりにくい存在なんだろうな。2015/11/30
exsoy
40
一年以上積んでてようやく読んだ。ファシズムの指導者はもしかしてデカダント・ブラックの能力を持ってた…かも。2015/11/01
眠る山猫屋
37
再読。ふたりのストーカーが交換ストーキング。MPLSたちが直接ブギーポップを狙う。最早、統和機構よりアグレッシブ。一巻からの重要人物である新刻敬ちゃんにようやく陽の目が当たる日が来るとは。2019/08/07
神太郎
31
新刻ちゃん、久しぶりぃ!と言いたくなる巻。確かに遭遇率としては全登場人物中でもおそらく多い方の新刻。ブギーさんから世界の敵に近くなってるかもしれないという指摘はあながち間違いでないかも?あるいは状況を打開するための鍵かもしれない。今回の敵は自分の中に巣食う闇と言ってもいいのかもしれない。最終盤の未来予知にヒビが入るところは「空の境界」を彷彿とさせる表現でわりかし好き!2022/12/28
hanchyan@つまりはそういうことだ
24
というわけで、第1作に引き続き第19作。なんでやねん(笑) デビュー作の文庫初版が1998年で本作は2014年。めっちゃ読みやすくなってます。こころの闇こそがひとの行動のエネルギー源だ、ていう発想が興味深い。学校中の闇を抽出・凝縮して企てる野望は、今んとこ高校生の生活圏内で食い止められました。狙われた学園か。やっぱなんつーかこうハイティーン!て感じがするぞ。けど、こんにちじゃあ分別盛りのおとなが雁首揃えて集まったSNSが元でひとが死んだりしてっから同じことだよなー嗤ってらんねえよなー、なんて思いました。2025/05/05