- ホーム
- > 和書
- > 文庫
- > ティーンズ・ファンタジー
- > 電撃文庫
出版社内容情報
真藤 順丈[シンドウ ジュンジョウ]
著・文・その他
佐々木少年[ササキショウネン]
イラスト
内容説明
真夜中に出没し、超低金利で高額融資をする“090金融”ヴァンパイア・ファイナンスを営む“万城小夜”。今夜も獲物=融資客を求めて蠢く。送りオオカミをめざす“ひのけん”。性転換手術をしようとしている“美佐季”。振り込め詐欺グループに復讐を目論む“「やえざくらの会」の老人たち”。ドラッグ・デザイナーを辞めたがっている“しずか”。都会のアンダーグラウンドで息する彼らは小夜に出会い、融資をうけるかわりに自身の問題に首を突っ込まれるが…。債務者それぞれ衝動や欲望をフルスロットルにし、ひしめきあって無限に増殖する狂騒のハードスケジュール群像劇。
著者等紹介
真藤順丈[シンドウジュンジョウ]
1977年東京生まれ。『地図男』で第3回ダ・ヴィンチ文学賞“大賞”を受賞。続いて『庵堂三兄弟の聖職』で第15回日本ホラー小説大賞“大賞”、『RANK』で第3回ポプラ社小説大賞“特別賞”を受賞。『東京ヴァンパイア・ファイナンス』で第15回電撃小説大賞“銀賞”を受賞し、四冠に輝く(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Bugsy Malone
65
ヴァンパイアものかと思ってたら違ってました。個人的に大注目の作家さん、真藤順丈さんの電撃文庫作品。超低金利で高額融資をしてくれる闇金「ヴァンパイアファイナンス」、巨額な資金を動かすのは金の犬歯をもつうら若き万城小夜。彼女に目をつけられた4人の一人称で語られる物語は勢いがあり、会話だけで誰が話しているかが分かるキャラ造りや構成も面白い。そして何だかんだ言いながらも主人公万城に引き付けられていく4人がいいですねぇ。知り合いたい様な知り合いたくないような、でも決して敵には回したくない万城小夜、良かったです。2017/05/21
翔亀
31
【物語6】電撃文庫である。そしてヴァンパイアで貸金とくれば、ほとんどどんな作品か見え見えでないか。流石に今さらこんなの読むものか、と思っていたが、稀代の物語作家ではないかと目している真藤順丈のこと、何かやらかしているのではないか、と念のため読んでみた。果たして、やらかしていた。■確かに、電撃文庫の形式に則っていて、擬態語連発で夜の東京を猛スピードで突っ走っている。しかしその疾走感がただごとでない。徹底して夜だけの描写、畳みかけるような場面転換、ドラッグや暴力団やキャバレーといったお馴染みの素材の中に、↓2021/09/15
MarsAttacks!
15
タイトルから勝手に吸血鬼ものと思っていましたが、全然違うものになっていました。登場する人々を狼男やゾンビ、魔女などのモンスターに譬え、彼等と闇金ヴァンパイア・ファイナンスを営む「万城小夜」が奏でる群像劇となっています。物語はかなり乱暴な展開とグダグダのラストですが、最後まで読めたので、読ませる力は有ったのかも?すべてのエピソードが一つに収束されれば、もっと良かったのに。2012/01/07
miroku
12
タイトルは色ものっぽいが、よく練られた内容で読ませる。ラノベなので仕方ないとは思うが、ラストの甘さが残念。2013/10/04
dynamonda
7
送り狼になろうとする男、夜な夜な集まる老人グループ、スイーツをたらふく食べる謎の集団、悩みを抱える女。それらのもとにヴァンパイア・ファイナンスを名乗る万城小夜があらわれ融資を持ちかける――。真藤順丈のデビュー作4作品のうちの1つ。4つの視点が切り替わり進んでいく群像劇で、今まで読んだ真藤作品の中では一番ポップなエンタメ寄り。色々なエピソードが絡み合う面白さもあるし、各々が決意に満ちあふれているのが印象的だった。夜の街が舞台だけど、明るいエネルギーにあふれる作品。2022/03/13