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内容説明
よくない道だねえ、と走ってきたモトラドが言った。後輪の脇には箱が、上には大きな鞄と丸めた寝袋とコート。旅荷物をたくさん積んだモトラドだった。でもやっぱりこれは近道だよと、モトラドの運転手が言った。黒いジャケットを着て、帽子とゴーグルをした十代中頃の若い人間だった。腰を太いベルトで締めたジャケットの前合わせは、初夏の風が入るように大きく開けていた。その下に、白いシャツを着ていた。人間キノと言葉を話す二輪車エルメスの旅の話。短編連作の形で綴られる、大人気新感覚ノベル第6弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
海亀
14
一番印象深かったのは「安全な国」要は物は言いよう、使いようって感じ。審査官のモノの考え方はしっかりしているけど場所が悪かった。「忘れない国」しっかりと記憶に残すのも重要だが、それ以上に今後同じような出来事が起こらないよう対策をすることが最も重要なことだろう。相変わらずあとがきも面白い2017/01/04
美海
14
またとんでもないあとがきに苦笑しつつ(これ、あとがきなのでしょうか?笑)文章構成も面白く丁寧な文体でとても読みやすかったです。○入れない国 これは何が言いたかったのか私にはよくわかりませんでしたが…キノが4回目にしてやっと入国することが出来て良かったですね!○中立な国 キノ、師匠、シズのそれぞれの良さが話にでててよかったです。○戦車の話 これはなんだか切なくなってしまいましたね。いつになったら気づくのでしょうか…2014/08/07
k16
13
シリーズ6作目。 今回印象的だったのは、加害者と被害者遺族の気持ちを語る第一話「彼女の旅」、過去の災害を忘れてはいけないと形だけで根本を考えることと忘れている「忘れない国」、危ないというだけで可能性あるものを全て禁止する「安全な国」あたり。 「安全な国」はラストでのキノの対応含めよかった。2020/10/10
よみーぬ
10
ベルギーでは、猫祭りという奇妙なイベントが毎年開催されるそうです。すごいですね。しかし、キノが旅する国々はどうやらもっと奇妙なようで…。例えば「戦車の話」。なるほど、この世界では戦車も飛ぶらしい。エルメスは空を飛ぶキャタピラを見て何も思わないのか!?まあそれは置いといて。好きだったお話は「長のいる国」。師匠と男の馴れ初め(?)でした。そして男は、晴れて師匠の左腕になったとさ(師匠の右腕は『カノン』ですから)。(↓に続く)2016/11/10
みんみ
9
キノとモトラドのエルメス、シズ様と陸、師匠、それぞれの旅は続く。風刺的な要素を含み、今の自分に語りかけられてるようだ。特に「祝福のつもり」が印象的。家族の涙の意味が心に響く。エルメスの声が聞こえてくるようで癒される。2024/02/10