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内容説明
シティ・シンガポールと賢人会議の同盟締結に反対する者たちにより、入院先の病院から拉致された参謀の天樹真昼。一方、数万人に膨れあがった反対派のデモは、魔法士たちが滞在する迎賓館を包囲しつつあった。事態収拾のため、サクラとフェイ大使は反対派の要、リン・リー議院の私邸へと向かうが…。賢人会議と人類の同盟を“望む者”と“望まない者”。それぞれの信念と思惑の行き着く先は、果たして“平和”か“戦争”か―。すべての混乱が頂点に達したとき、シティと賢人会議の歴史的同盟の行方が決まる!「落日の都」完結編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひめありす@灯れ松明の火
49
あの日「僕達は、この世界になにを祈り、なにを願って生きていくのだろうか」と問い掛け「じゃあ君は―――正しいからこの道を選んだんだね」と立ち竦む少女を嘲笑い「―――だから僕は、世界を変えるよ」と混沌の街に己の正しさを示した青年の夢の終わり。異能あらざる唯人の身で、駆け抜けた戦場。あまりに疾過ぎたその生涯。二人の悪魔使いの道行を示した最後の願い。太陽が落ちて昼の世界は終わりを告げ、全ては落日の色に染まる。いつかみんながしあわせになれるように。そう願うはずなのに闇が全てを閉ざして、今一番心配な少女の心が見えない2014/06/20
まりも
32
物語は最悪のシナリオへ。人類と魔法士の共存を望んだ賢人会議参謀真昼の死。彼を死に追いやったのがシンガポール市民が間違えて発砲した凶弾であり各陣営の策略を狂わしたのは人間の感情という理屈ではどうにも出来ないものだったのがこの作品らしい残酷さだな。落日の都編は上中下通して一切の救いのない展開でした。シティとの全面戦争を決断したサクラに対して未だ立ち直れない錬、月夜はどうするのか。真昼がサクラに残したメッセージ、南極にある答えが今後の鍵になりそう。展開が読めないので続きを早く読みたい。2014/11/14
ソラ
29
3年待って、もう出ないんじゃないかと心配して、やっと読めたと思ったら正直内容はうろ覚えだったけど、やっぱり面白かった。次はもっと早く出ると良いなと思わずにはいられない。真昼…。2014/02/15
ちゃか
19
待った、三年まったよ……! もう、しょっぱなにあんなシーン入ったもんだから、嫌な予感はしていましたけど。滅びが迫った世界で、誰も彼もが救いを求めて、最善を尽くそうとしている。それは間違いないはずなのに。道は、分かたれてしまった。選ばれたはずの可能性が閉ざされ、決断は下される。あぁ、優しくない世界で、優しくない物語だ。けれど、読まずにはいられない引力がある。脱落者がでて、争いへと向かう。きっと、滅びへ加速する道ですらあるだろうに。どうか、ここから、少しでも救いがあって欲しいと願う。さぁ、次は何年後かな。2014/02/09
KEI
18
購入。中巻を読んだのが6年前、この下巻が出たのが3年前。下巻が出た当時くらいに職場が変わるなどがあり、読む踏ん切りがつかなかった。やっとの思いで読了。僕の中で真昼はウィッテン、ザイン、天樹博士と同列に扱われてる。天才であり、一人で状況を打破できる可能性がある、言わば超常の存在の一人であり、前時代の人物である。好きなキャラの一人(みんな好きだけど)であるので、下巻での痛ましさには目を背けたくなったが、この結末は当然の帰結と考えている。続きはコメ。2017/02/09